香川照之、スキャンダルの影響は息子にも? 専門家は「間接的な影響が」

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 銀座で狼藉という本誌(「週刊新潮」)の報道を機にたった2週間で、取り巻く環境がマイナス方向に180度転回してしまった香川照之(56)。うわさされる違約金地獄は乗り切れる? 歌舞伎界のポジションにまでケチがつくと、父子関係にも亀裂?

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 自業自得とはいえ、好感度が高かった俳優が数日にして嫌悪の対象に転落するのは、平家にもたとえられる世の無常ではあるまいか。もっとも、芸能トラブルに詳しい河西邦剛弁護士によると、「違約金が5億円」などというのは、実態に即した報道ではないという。

「CMの一般的な契約条項には“犯罪に該当する行為はしてはいけない”“契約期間中はイメージを損なわないように配慮する”といったことが書かれています。香川さんがしたのは、記事によれば強制わいせつに当たる行為だと思うし、第2弾に掲載された写真は、それだけ見るとママへの暴行罪に当たる可能性もあります。とはいえ、事件化はされていないので違反に該当するかどうかは微妙で、違約金が発生するかわかりません。契約金の返還というのが現実的で、契約満了までの残りの期間を日割り計算して支払うことになると思います。またテレビは後払いが多いので、請求されることはないと思います」

 で、つまるところ、

「個別に契約金の返還と賠償金が発生しても、事務所がトータルで支払う金額は、数千万円から1億円程度ではないかと思います」

 失われたのは金銭よりもイメージで、実は、そのほうが痛手も大きいに違いない。その点、女性問題に寛容だといわれる歌舞伎の仕事への影響は、さほど広がらずに済むのだろうか。

息子に間接的影響も

 折しも市川海老蔵が11~12月に行う「十三代目市川團十郎白猿襲名披露公演」の共演者が発表され、尾上菊五郎、中村梅玉、片岡仁左衛門、坂東玉三郎、松本白鸚というそうそう」たる面々が顔をそろえることになった。

 酒癖も香川と並んで悪いとされる海老蔵の晴れの場に、これだけの重鎮を集めるのは、松竹もさぞ大変だったと思われるが、香川の件にはそれほど頭を悩まさずに済むのか。

「たしかに歌舞伎界は寛容だといわれますが、昔よりはコンプライアンスが厳しくなっているし、また、香川の件は相手と合意のもと行われたスキャンダルとは質が違いますよね」

 と、歌舞伎評論家の上村以和於氏は言う。

「香川が歌舞伎の世界に入るとき、40歳を超える年齢が問題になりましたが、そのとき考えられていたより頑張っています。役を受ける際、同じ演目の映像などを徹底的に研究すると聞いたことがありますが、重要な役を演じて違和感がない。ここまで順調にきたと思います。とはいえ、自分ができる限界はわかっているので、息子を歌舞伎役者にしたいという思いが強かったといわれ、子供がいない猿之助を継ぐ可能性は高い」

 とは、ここまでの話。

「今回の件は息子の市川團子に直接影響は及ばないと思いますが、松竹や大御所俳優の受け止め方次第では、間接的に影響が出かねない。市川中車の名に実力と信用がついたら、息子の團子の株も上がり、猿之助をスムーズに継げると思っていましたが、スキャンダルでわからなくなりました」

 香川の狼藉はイメージが悪すぎ、松竹の悩みは深いだろう。が、酒席での狼藉が息子の将来も阻むようなことがあれば、香川の悩みはその比ではあるまい。

週刊新潮 2022年9月15日号掲載

ワイド特集「渦中の人」より

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