「武豊」も手を焼いた“じゃじゃ馬”「メイケイエール」 G1未勝利でも写真集が出るほど人気のワケ

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競馬に対するひたむきさ

 そう、メイケイエール、その美人顔から想像するイメージとは裏腹に、かなりの「お転婆娘」だったという。

「とにかく、前に馬がいるのを嫌い、すぐに競りかけ、自分が前に行こうとするんです。もちろん競走馬としては、その気持ちは大きな武器なのですが、時に気持ちが抑えられず、騎手もそれを制御できないほど暴れるんです。GI桜花賞では、その気持ちが強く出てしまい、道中、他馬にぶつかりながら捲り上げた挙句、失速してしまいました」

 その気性の荒さには、あの経験豊富な武豊騎手ですら、騎乗後、「どうしたらいいのか」と嘆いたほどだったそうだ。

「ただ、彼女の場合、“気が悪い”というわけではないんです。気が悪い馬というのは、他の馬を蹴りに行ったり、立ち上がってみたりするんですが、彼女はそういうことはしない。ただひたすら、走りたいという気持ちを抑えられず、つい暴走してしまう。そういう、競馬に対するひたむきさ、真面目さが観る人の心を揺さぶり、ファンが増えていったのだと思います」

歯車がいい方向に

 そんな手に負えないメイケイエールが、ここにきて、一変し始めたというのだ。

「変わり始めたのは今年になってからですかね。その間、とにかく走る馬というのはわかっているので、陣営の皆さんが一生懸命、調教を工夫したり、馬具をいろいろ試したりと、とにかく彼女のためにできることを積み重ねた。それに応えるように、彼女も道中折り合いをつけられるようになっていきましたね。歯車がいい方向に回り始めましたね。よくここまで立て直したなと」

 一方で、こんな見方も。

「3歳時は、桜花賞という芝1600メートルのビッグタイトルがあり、やはり陣営としてはチャンスがあるなら獲りたいわけですから、それまで1600メートルのレースを使ってきた。だけどメイケイエールは、今回のような1200メートル戦が合っている。そこが噛み合っていなかったというのはあると思います。1200に絞ってからは、見ていても彼女が納得して走っているのがわかります」

 残すは、悲願のG1制覇だが、

「他にもいい馬が揃っていますが、そんな中でも、今回のレースと同距離のスプリンターズステークス(10月2日、中山競馬場)では、いい勝負すると思いますね」

デイリー新潮編集部

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