あの会見は何だったのか? 角川歴彦容疑者逮捕までのドタバタ劇 「社員を信じる」発言の“勘違い”

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「僕は社員を信じています」。KADOKAWA会長の角川歴彦容疑者(79)が逮捕前の会見で述べた言葉だ。彼はなぜあんな自信たっぷり「自分は関係ない」と言えたのだろうか。緊急会見までのドタバタを振り返りながら、“謎”に迫ってみる。

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しびれを切らして自ら会見を開いた

 KADOKAWAルートが初めて表に出たのは9月3日。五輪汚職報道で独走中の読売新聞が「KADOKAWAも仲介か」と一面トップで報じた。

 新聞が読者のポストに届く頃には、他社は裏取り取材に動き出す。東京都新宿区に構える角川会長の自宅前には、早朝から数人の司法記者が集まり出した。

 だが、昼になっても角川容疑者は出てこなかった。インターフォンを押しても不在。各社、翌4日も朝昼晩と張り込みを続ける状態が続いた。

 5日昼ごろ、こう着状態がようやく動き出す。会社で待ち受ける記者たちの前に会社の人間が現れ、「囲み会見を開く」と言い出したのだ。ただし「KADOKAWAの会長としてではなく、角川歴彦個人として開く」という話だった。

代表取材を要望

 それから急遽、2、3時間後に会見が開かれることになった。

「向こうから代表取材にするよう要望があり、記者クラブで話し合った結果、TBSと毎日新聞が参加することになりました。本当に会社に相談なく開いたようで、広報部はびっくりしていたそうです」(司法記者)

 そして、角川容疑者は本社のエントランスホールで30分間、終始“心外”といった表情で、時に激しい口調で疑惑を否定し続けたのだった。

「僕はね、本当にね、思いがけない感じでね。あの、戸惑っていることばかりなんですよ」

「それはね、僕もあいまいなんだけど。7000万と聞いたかなぁというところなんですよ。でも7000万と言われるとそうなんだろうなと。僕の記憶ではうちの法務部も介在して検討して……」

「だから、組織委員会がつくった立てつけがそうなってたんですよ。それをなんで、皆さん、もっと研究しないのかなぁ……」

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