ウクライナ軍 ハルキウ奪還で露呈したロシア軍の致命的欠陥 軍事専門家も驚き
ミッドウェイ作戦
8月24日はウクライナの独立記念日だが、この日にゼレンスキー大統領は「ロシアから全土を取り戻す」と演説を行った。
このためには南部と東部の二正面作戦が必要であり、軍事の専門家からは「現実的な戦略ではない」という指摘も少なくなかった。
「しかし今回、ウクライナ軍はまさに二正面作戦を敢行し、東部で大きな戦果を挙げました。南部でも前進を続けているとの報道もあります。いわば“有言実行”を果たしたわけで、西側諸国のウクライナ軍に対する評価も上がると考えられます」(同・軍事ジャーナリスト)
一方のロシアは、このまま敗走が続くと、「開戦前の国境線」まで戻される可能性も出てきた。
「そもそもロシア軍はウクライナ全土を支配下に置くため、あの“特別軍事作戦”を実施したのです。ところが、キエフの攻略には失敗し、東部の占領地も失いつつあります。このまま敗北が続き、結局は開戦前の“国境線”に戻ったとなれば、徒労感は桁違いでしょう」
ただでさえロシア軍は士気の低下に苦しんでいる。それに加えて「“特別軍事作戦”は全く意味がなかった」との事実を突きつけられたとしたら、どうなってしまうのか──。
「ウクライナ軍の戦果は、1942年に劣勢のアメリカ海軍が日本海軍を撃破して戦局を一気に転換した、『ミッドウェイ作戦』に匹敵する価値を持つ可能性も出てきました」(同・軍事ジャーナリスト)
註:ロシア兵士、軍服捨て私服姿で逃走か 東部ハルキウ州(CNN日本語電子版:9月11日)
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