ウクライナ軍 ハルキウ奪還で露呈したロシア軍の致命的欠陥 軍事専門家も驚き
奇襲攻撃は、なぜ成功したのか──? 日テレNEWSは9月13日、「ウクライナ軍『不意打ち』成功で――領土“東京の1・4倍”を電撃奪還 ハルキウで何が?『ロシアの目標は風前の灯火』の見方も」との記事を配信した。担当記者が言う。
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「9月11日、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領(44)は、北東部ハルキウ州で軍が反転攻勢し、同州のイジュームなどロシア軍の拠点を奪還したと発表しました。更に12日、イギリスの国防省はロシア軍について『ウクライナ東部ハリコフ州のオスキル川以西の州全域から撤退を命じた可能性が高い』とも発表したのです」
ウクライナ軍の戦果は、日本テレビによると《東京都の1・4倍ほどとされる広い範囲》だという。
これほどの大戦果をあげた理由として、世界各国のメディアが「勝因は奇襲作戦の成功」と報じた。
「ウクライナ政府は『南部を奪還する』と公言し、実際に兵力を投入していました。ロシア軍が反撃のため南部に戦力を集中させた結果、北東部が手薄になったのです。その隙を突いて、ウクライナ軍が奇襲攻撃。これが大成功を収めた、というのが日本テレビなどの報道内容です」(同・記者)
さる軍事ジャーナリストは「確かに奇襲だったのでしょう。現地の映像を見ると、ロシア軍が慌てふためいた様子が伝わってきます」と言う。
兵站の悪化
「ロシア軍が逃げた街には、戦車や装甲兵員輸送車が無傷のまま置き去りにされていました。CNNは『ロシア軍の兵士は軍服を捨て、私服で逃走した』とも報じています(註)。どうやらロシア軍の兵士は、『戦車や輸送車で退却したら、ウクライナ軍の追撃を受けてしまう』との恐怖心を持ったようです。そのため私服で“敵前逃亡”したのでしょう」
敵前逃亡は、多くの軍隊で即決銃殺となる重罪だ。にもかかわらず、ウクライナ軍を迎え撃つ考えなど微塵もないのだから、ロシア軍における士気の低下は言わずもがなだ。背景には弾薬不足など兵站(へいたん)の悪化があるという。
「9月6日、アメリカ政府は『ロシアは不足した弾薬やロケット弾を補給するため、北朝鮮からの購入を試みている』と発表しました。経済制裁でロシア国内の生産力は落ち、ウクライナ軍はロシア軍の補給路を叩く作戦を続けています。古今東西、最前線の兵士は、補給状況に敏感です。弾薬や糧秣(りょうまつ)の不足を感じると、一気に士気は下がってしまいます」(同・軍事ジャーナリスト)
もし補給された弾薬ケースにハングル文字が書かれていたら──最前線の兵士は、これだけで自軍の苦境を導き出すに違いない。
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