ゴルフコースと裏金を管理 超一流「グリーンキーパー」が芝に蒔いた詐欺の種 ダミー会社も設立
芋づる式
大江被告の背信行為はそれだけではない。クラシックとの「競業避止(ひし)義務」を破り、無断で他のゴルフ場のコース管理を受任。09年3月、「ベタープレイス」なるコンサル会社を秘かに起業し、キックバックを受領する取引を繰り返していた。
さらに、大江被告はクラシックの既存の取引先「R社」に目を付ける。
「R社からは“ブラン”と名付けた、この世に存在しないグリーン用活性剤を購入する段取りを付けていました。12年5月から不正が発覚する19年5月までに、架空商品ブランでのネコババは1億円以上に及んだ。R社への正規の注文リストにブランを紛れ込ませる偽装工作が行われていました」
このR社関連の詐欺で、大江被告の手が後ろに回ったのである。他の不正行為も、クラシックの調査によって芋づる式に判明。看板グリーンキーパーは、大胆不敵にも13年間にわたって「犯行」を続け、クラシックから累計2億9000万円を巻き上げたと見られている。
「週刊新潮」2022年9月15日号「MONEY」欄の有料版では、大江被告による一連の不正行為の経緯と手口を詳報する。
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