宮内庁「SNS解禁」の落とし穴 懸念される佳子さまの炎上

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双方向ならば…

 皇室制度に詳しい河西秀哉・名古屋大学大学院准教授は、

「眞子さんと小室圭さんとの結婚では、ネットなどで誹謗中傷もありました。結婚問題は国民の反発を招いたわけですが、もし日頃から情報発信がなされていれば、お二人への理解が得られた可能性があり、世間の反応は違ったものになったのではないでしょうか」

 としながら、

「“誤った情報をただす”といっても、実際には一つ一つの記事やネット上の情報について“これは違う”といった細かい反論はできないでしょう。宮内庁としてより積極的に『公式情報』を発信していくことになるのだろうと思います」

 が、これでは皇室の魅力も伝わるまい。公的セクター広報論が専門の北村倫夫・北海道大学大学院特任教授が言う。

「そもそも現在、宮内庁という行政機関のHP内に皇室のサイトがあることに違和感を覚えます。情報発信の本来の目的は、国民から愛される皇室を目指すこと。それには国民とより良い関係を築く『広報』が必要です。皇室の広報には発信だけでなく“聴く”ことも求められるはずで、国民と双方向のコミュニケーションができれば理想的です」

「個人のアカウントが望ましい」

 これが宮内庁のHPとなると、

「行政機関の広報となってしまい、皇室と国民との間に心理的距離が生じかねません。第一、皇室の『公』はカバーできても『私』の発信は限られてしまう。本来であれば皇室のHPから、国民が親近感を抱けるよう必要に応じて『私』に関わる情報も発信すべきです」

 今回の動きについても、

「宮内庁がSNSアカウントを持って発信しても、総務課などの組織名でなされた場合には組織対一国民という構図になり、心の通ったコミュニケーションは望めないでしょう。初めは宮家ごとでもよいので、最終的には皇族方が個人のアカウントをお持ちになるのが望ましいところです」

 その際には、

「ツイッターやインスタグラムは匿名性の高いサービスですが、フェイスブックは利用者の実名登録が原則となっており、“誹謗中傷”も少ないので始めやすいでしょう。もし秋篠宮さまがご自身のアカウントをお持ちでしたら、あるいは父親としてのお気持ちを表現できていたかもしれません」

 秋篠宮さまのみならず、国民と双方向のやり取りとなれば、今後のご活動が注目される佳子さまもまた大いに話題を呼ぶことだろう。もっとも、

「佳子さまはこれまで一貫してメディアへの不信感をあらわになさってきました。眞子さんの騒動では佳子さまにも批判の目が向けられたのは記憶に新しい。ご自身は、むやみに日々のお過ごしようを発信なされば、またも“炎上”を招きかねないことなど先刻ご承知です。仮にご自身が発信なさるとしても、ご公務に関する当たり障りのないテーマにとどまることでしょう」(前出・皇室ジャーナリスト)

週刊新潮 2022年9月15日号掲載

特集「宮内庁『SNS』解禁の裏に『秋篠宮』」より

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