木原官房副長官、「統一教会との関係」“虚偽報告”の裏側 「記憶にないなあ」から一転

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「記憶にないなあ」

 9月12日深夜、木原誠二官房副長官(52)は、統一教会関連団体主催のシンポジウムに2016年12月に参加していたとのコメントを発表。コメントの中で木原氏は、外部からの指摘によって会合への出席の記憶が「呼び覚まされた」と説明したが、この「外部の指摘」とは本誌(「週刊新潮」)による取材を指している。“隠蔽(いんぺい)”に至った裏側とは――。

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 そもそも、岸田文雄総理の最側近として知られる木原氏は自民党が行った所属議員と教団の関係に関する「点検」で、この会合出席について報告していなかった。

 木原氏が参加した16年のシンポジウムの主催は「アジアと日本の平和と安全を守る東京都フォーラム」。後援の中にある西東京平和大使協議会こそ、統一教会の関連団体であり、主催となっている団体も同じく教団の関連機関だ。

 木原氏にこのイベントに参加していたかどうかについて週刊新潮の記者が質すと、「記憶にないなあ」と答えたが、シンポジウムの概要を説明すると、

「確かにパネリストとして出たね。いまお話を聞いて思い出したけど、まったく(統一教会関連という)認識がなかった。事務所に出てほしいという依頼があって。そのパネリストのメンバーを私が確認して、まあいいんじゃないか、と。内容も適切なので出席した、ということです」

 この取材によって木原氏の記憶は「呼び覚まされ」、深夜の発表へとつながったわけである。

「初当選から統一教会の支援を受けている」

 しかし、問題はこれにとどまらない。このシンポジウムで木原事務所との窓口役を務めた男性が統一教会の関係者と見られているのだ。永田町関係者が言う。

「木原さんは初当選から統一教会の支援を受けているといわれています。このシンポジウムに限らず、何度も関連団体の会合に出席しており、手引きをしているのが木原さんの選挙区に住むこの男性で、信者ともいわれている。彼が地元の教団票を取りまとめているのです」

 事実であれば木原氏は統一教会から選挙支援を受けていることになるが、無論、党の調査で公表された選挙支援の項でも、木原氏の名前は記載されていない。

 木原氏はこの男性について、

「(その男性と)シンポジウムのやり取りはしていませんし、私の知るところでは統一教会の信者ではないと認識しています」

 木原氏は本誌によるこの取材の直後、12日夜に教団関連団体のシンポジウムに参加していたこと、自民党に追加的な報告を行った旨、発表している。「外部からの指摘により思い出した」という概要を記した書面を慌てて作成した木原氏は、週刊新潮による取材の事実は伏せて、官邸記者にその書面を配布。事態の収拾を図ろうとしたのだ。

 ちなみに今回、木原氏ら所属議員に対して自民党が実施した、統一教会との関係を尋ねたアンケートには、これ以外にも“小細工”が見受けられる。例えば、選挙支援に関しては「有」と答えていた事務所が非公表となっていたケースがあったのだ。

「選挙支援は“事前に統一教会の支援と知っていたか”が裏の基準になっていた。つまり、事務所が“支援はあったが、統一教会とは知らなかった”と答えれば、非公表となりました」(自民党関係者)

 ここには調査の旗振り役である茂木敏充幹事長の意思が働いていた、という見方も党内にはある。つまりなるべく事実を“矮小化”したいがための小細工だというのだ。

 9月15日発売の「週刊新潮」では、なぜか麻生太郎氏の名前が自民党の調査結果にないカラクリと併せて、自民党による調査がいかにデタラメかを5ページにわたって詳報する。

週刊新潮 2022年9月22日号掲載

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