「ちむどん」失敗の研究 視聴者を釣り上げ、結末は薄い展開は理解不能

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 NHK連続テレビ小説「ちむどんどん」も残すところ僅か。どうして賛否両論が渦巻く作品になってしまったのか。批判の声がここまで力と熱を持った朝ドラは過去になかったはずだ。物語を振りかえりつつ、不評を買った理由を考えてみたい。

批判の声は子役編が終わった第3週から

 批判の声が上がり始めたのはヒロインの比嘉暢子の演じ手が子役の稲垣来泉(11)から黒島結菜(25)に交代した第3週「悩めるサーターアンダギー」以降である。

 それまでは沖縄県北部の山原村で暮らす清貧の一家の物語だったから、「つまらない」と思う人はいても「不快になる」という人はいなかったはずだ。

 第3週からは長男・賢秀役も浅川大治(14)から竜星涼(29)にバトンタッチ。長女・良子役は土屋希乃(14)から川口春奈(27)になった。3女・歌子役も布施愛織(9)から上白石萌歌(22)に交代した。ここから批判の連鎖が始まった。

 批判を招いた一番の理由は暢子のキャラクターにある。およそ万人受けしない。ヒロインが視聴者に広く共感されれば、ストーリーに多少の矛盾点があろうが、まず問題視されないが、暢子はそうではない。

 例えば前作「カムカムエヴリバディ」にもストーリー上に不自然な点がいくつかあった。2代目ヒロイン・雉真るい(深津絵里)が岡山から大阪に出て、「竹村クリーニング店」の住み込み店員になった際、店側の竹村平助(村田雄浩)、和子(濱田マリ)は保証人を求めず、身元照会もしなかった。

 商家の方なら熟知されている通り、身元を確かめずに住み込み店員を採用することはまずない。寝食をともにするのだから。夜逃げの恐れもある。

 終盤で叔父の勇(目黒祐樹)と劇的な再会をさせる予定だったためだろう。それでも批判の声が上がらなかったのは、るいと初代ヒロインの橘安子(上白石萌音)が圧倒的な共感を得ていたからだ。

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