45歳男性が送る、2人の不倫相手と崩壊した家庭の「三重生活」 そこで浮上する重大な金銭問題

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 不倫の恋にどっぷりとハマり、家庭を捨てて相手と一緒になるとすれば、その際には「世間体」とともに「お金」の問題が必ず浮上する。

 まず元パートナーに支払う慰謝料の問題がある。明確な基準があるわけではないが、不倫や浮気が原因の離婚の場合、100万円~300万円が相場であるようだ。

 加えて、子供がいれば養育費の支払いも生じるだろう。厚生労働省の2016年度調査によると、〈養育費を現在も受けている又は受けたことがある母子世帯〉のうち84.4%が、決められた額を受け取っていると答えている。子ども1人の場合は月に3万8207円、子ども2人だと月に4万8090円が、養育費の平均月額であるという。

不倫の恋で苦しむ男たち』などの著作があり、男女問題を30年近く取材してきたライターの亀山早苗氏が今回取材したのは、まさに「お金」が、高いハードルになった不倫男性だ。彼は妻に離婚を切り出すも、相場よりかなり高い養育費を要求された。

 そして不倫の怖いところは、ハードルを乗り越えて成就したとしても、ふたたび“繰り返す”かもしれないところにある。不倫にまつわる「お金」を考えるにあたり、参考になるレポートといえよう。

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「人には2種類ある。不倫をする人としない人。する人は繰り返す」と言われることがある。真偽のほどは定かではないが、個人的には「条件さえ整えば、誰でもする可能性がある」と感じている。結婚したら生涯、ひとりの人としか関係がもてないというのは、どう考えても生物の原則からはずれているような気がしてならないからだ。もっとも、人間には「理性」が備わっているのだから、恋愛感情を抱いたとしても自制できるはずだと反論を食らうだろう。だが、その理性さえ飛ばしてしまうのが「強い恋愛感情」なのではないだろうか。何度となくそういった恋愛感情に突き動かされてしまう人がいるのも、なんとなく理解はできる。

 広瀬亮一郎さん(45歳・仮名=以下同)は、36歳のときに不倫の恋に落ちた。相手は仕事で知り合った29歳の麻紀子さんで、寝ても覚めても彼女のことしか考えられなかった。結婚して7年目のことだった。

「5歳と2歳、かわいい盛りの子がいるのに僕の心は麻紀子にすべて持っていかれました。妻に非はありません。でも麻紀子に出会って初めて“恋の楽しさと苦しさ”を知ったんです。一緒にいるとこの上なく楽しくて、離れると心にぽっかり穴があく。彼女のために生きたい。そう思ったのがいけなかったんでしょうか」

 そして彼は今、またも恋をしているという。麻紀子さんより身も心も合う女性と巡り会ったのだから、どうしようもないのだと振り絞るように言った。

 180センチ近い高身長で中肉、やさしげな表情の亮一郎さんはモテるはずだが、本人はそうは認めない。本人が積極的に恋を求めているわけでもなさそうだからこそ、彼に深い興味を抱いた。

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