カスハラの7割以上が男性、年代は中高年が大半 コロナ禍で急増した原因は?

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マスク絡みのトラブルが増加

 コロナ禍によるこの「ストレス発散型のクレーマー」の傾向は顕著だ。世の中が自粛要請でストレスをため込んでいる中、人との接触があるサービス業は、やはりそのはけ口になりやすい。ゼンセン調査でも、新型コロナウイルス感染症の影響で迷惑行為を受けたとする割合は35.9%。

「マスクを外したまま会計に来て、“コロナだ”と言ってそのまま退店」(居酒屋)

「“入店時にマスクを着用していない客は入店拒否しろ”と要求され、陽性患者が出たら裁判沙汰にすると威圧的な態度ですごまれた」(ショッピングモール)

「レジで商品をスキャンする際、ペットボトルのフタ部分を持ったところ、“どこ触ってんだ! 汚い手で触るんじゃねえ!”と怒鳴られた」(ドラッグストア)

 といった声もあるという。

 池内氏は、これらの要因として「社会全体の疲労と不寛容社会の到来」を指摘する。

「割と普通な人が、些細なことで怒り出すようになる。スーパーでは釣銭の渡し方が悪い、マスクをしたくないのに強要される、逆にマスクをしていない人がいるので注意しろ、などのクレームが増えているようです」

無言で除菌スプレーをかけられ…

 店員も客もマスク越しなうえ、透明フィルムなどがあるため声が聞き取りづらく、何度も聞き返したことで憤慨。あるコンビニでは、外国人の店員が「そもそも発音が悪いから何を言っているか分からないんだ。日本人の店員を呼んで来い」という罵声を浴びたケースも。

 一方、コロナ禍で世の中から“激励”を受けたのがトラックドライバーたちだ。これまで空気のように扱われていた彼らだったが、医療従事者と並び「エッセンシャルワーカー」とされ、「社会インフラを支えてくれるトラックドライバーの皆さん、ありがとう」と言われるように。が、そんな聞こえがいいネーミングとは裏腹に、現場からは悲痛な声ばかりが聞こえてくる。

「無言で除菌スプレーを掛けられた」

「インターホンで“何軒も家回って来てるんだろ、荷物にコロナが付いているんじゃないか。ちゃんと拭いて届けてるのか”と言われ、いつまでもドアを開けてくれないことがあった」

「コロナの感染が拡大している地域のナンバープレートに気付いた取引先から“コロナ運ぶな”と言われた」

 彼らからはいつしかこんな声が届くようになるだろう。「なにがエッセンシャルワーカーだ」と。

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