小椋久美子が明かす「オグシオ」結成秘話 「こんなすごい人と肩を並べていいのか」と苦悶した時期も(小林信也)

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卒業時に誘ったのは

 その潮田とペアを組む機会に恵まれたのは高1の冬だった。有望な高校生男女約50人を集めた全日本合宿。練習の一環でダブルスを行った。

「たまたま余った1年生二人が組むことになった、と思っていたのですが、コーチたちは身長の高い私たちを組ませたら面白いと考えていたようです」

 小椋171センチ、潮田167センチ。日本の女子選手としては大きい。即興で組んだ1年生二人が、その年のインターハイ優勝ペアも含め、すべての先輩ペアを破った。

「私たち、できるかも!って、浮かれましたね(笑)」

 それまでシングルスしか頭になかった。ダブルスの可能性に初めて目覚めた。

「その時は、必死に返せばいい、上がったら打てばいい、スマッシュを打ったら前を張ればいい……。ダブルスだけど二人ともシングルスをやっている感じで、コンビネーションなどなかった。でもテンポ感が合っていた。攻撃でチャンスを作るやりやすさがあった。その時から自然と玲ちゃんが前で、私が後ろにいることが多かったですね」

 潮田は九州国際大付属高、小椋は四天王寺高に進学。二人がペアを組むのは国際大会に出場する機会に限られた。その頃はまだ小椋には戸惑いもあった。

「私でいいのかな、こんなすごい人と肩を並べていいのか、申し訳ないって気持ちが残っていました」

 しかし、高校卒業時に積極的に潮田を誘ったのは小椋だった。高3の7月、小椋はずっと誘われていた三洋電機に進路を決めた。潮田は、進学か地元の社会人かで迷っていた。

「私は(潮田とのダブルスに)自信がありました。だから、電話とメールと文通で、ずっと玲ちゃんを誘い続けました」

 10月、三洋も「これ以上待てない」最後のタイミングで潮田がハラを決めた。

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