中森明菜 新事務所設立で見えてきた復活への工程表 海外移住説も
中森明菜(57)が新個人事務所「HZ VILLAGE」を設立し、それを同じく新設したツイッターの公式アカウントで8月30日に発表したのは知られている通り。なぜ、新事務所を設立したのか。どうして、この時期の発表なのか。いつから再び歌うのか。明菜復活までのロードマップを探る。
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明菜がこの時期に動き出した理由
6月25日付のデイリー新潮は、明菜が2017年末から休業している理由について、音楽関係者の言葉として、「帯状疱疹(ほうしん)のため」と報じた。さらに「治ったら活動を再開しますよ。ほかに歌わない理由はありませんから」とも伝えた。
明菜自身は8月30日のツイッターに貼り付けた手紙にこう書いていた。
「まだ万全な体調とは言えません。ゆっくりになってしまうと思いますが、歩き出していきたいと思いますので、どうか見守っていただけると嬉しいです」
休業の理由についてはさまざまな憶測が飛び交ったが、やはり体調の問題だった。
明菜が自分の言葉を外部に出したのは2019年正月にファンクラブ会員へ送った年賀状以来のこと。どうして8月末を選んでメッセージを発信したのか。
音楽関係者はこう読む。
「大晦日のNHK紅白歌合戦への出場が視野にあってのこととしか考えられない。そうでなかったら、ほかの時期でよかった」(音楽関係者)
明菜は1982年5月1日に「スローモーション」でデビューしている。メッセージを出すのなら、40周年を迎えた今年5月1日のほうが自然。57歳の誕生日だった7月13日だっていい。だが、紅白出場が関わってくると、8月中がベターだった。
「紅白のスタッフがアーティストに出場の意向を打診し始めるのが9月。それまでに明菜が活動再開の動きを見せてくれないと、紅白側は接触しにくい。ほかのアーティストから『なぜ休業中だった人物に打診したんだ』とクレームが付きますから。おそらく、明菜がメッセージを出したのは紅白スタッフと水面下で話し合ってのこと」(同・音楽関係者)
崖っぷち紅白の切り札
今、紅白は存続の危機にある。どうしても目玉が欲しい。ビデオリサーチ調べによる昨年の関東の視聴率は世帯が34.3%(前年比マイナス6%)で史上最低。個人も24.8%(同マイナス4.8%)で下がっている。故・島桂次氏が会長だった1990年前後にも打ち切りのピンチがあったが、今度はより現実味を帯びている。
NHKの前田晃伸会長(77)は紅白を打ち切る意向だと5月に発売された一部月刊誌は報じた。背景にあるのも視聴率低下だ。
月刊誌の発売直後の定例会見で、前田会長は報道を否定したものの、それでいて「紅白を終わらせるか終わらせないかは今後考える」と含みを持たせた。今年の世帯視聴率が30%を割ったら、打ち切りへのカウントダウンが始まると局内や音楽業界内でささやかれている。
明菜は紅白を存続させるための切り札なのだ。紅白はほかにデビュー50周年の矢沢永吉(72)、年内で芸能活動を終了する吉田拓郎(76)の担ぎ出しを狙っているという。崖っぷちなので懸命だ。
明菜が「数字の獲れるアーティスト」であることは証明されている。7月9日土曜の午後4時半から同6時まで放送されたNHK「伝説のコンサート 中森明菜 スペシャル・ライブ リマスター版」の視聴率は世帯4.6%、個人2.3%だった。この時間帯にしては高い水準である。
1989年4月、東京・稲城市の「よみうりランドEAST」で行われたコンサートの映像だった。言い方は悪いが、所詮は懐メロに過ぎない。
にもかかわらず、裏番組のテレビ朝日「クレヨンしんちゃん」(世帯2.8%、個人1.6%)やテレビ東京の「ニッポンハム レディスクラシックゴルフ2022」(世帯3.3%、個人1.7%)を軽く上回った。紅白スタッフが出場させたいのも無理はない。
明菜にとっても紅白はメリットが大きい。休業期間は既に4年半。いち早く第一線に復帰するためには、活動再開の場が大きく、華やかなほうがいい。
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