依願退職の「警視庁マル暴刑事」 組織がひた隠しにする、もっと重要な捜査情報の漏洩問題

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支払われる退職金

 長年、暴力団捜査に携わってきた警察幹部OBはこう嘆く。

「暴力団を取り締まる上でもちろん対象者を深く知ることは欠かせません。例えば、組事務所に行っても、最初は門前払い。次は立ち話、そのうち『お茶でも飲んでいけ』となってくる。そうやって関係を築くことで、いわゆる『反目』となっている対抗組織の情報を取ったり、事件の被疑者を出頭させたりすることができるんです」

 それ自体は間違ったことではないのだが、

「確かに関係がエスカレートして『飲ませ・食わせ』を提供され、しまいには女まであてがわれる捜査員がいるのも事実です。私が現役の時は、暴力団と飲食するときは必ず割り勘。それも『今日は1万円しか持っていない』と相手に伝え、その範囲で支払える店にしか行きませんでした」(同)

 本来であれば、先輩の捜査員がそういった自己防衛策とも言える所作をしっかり後輩に伝えるべきなのだが、

「今は警察組織も働き方改革などでかつてのようには、若手に厳しくもできません。後輩が不祥事を起こすたびに、またかと思ってため息が出ますよ。本当に問題があるのはごくわずかで、大半の警察官はまじめなんですけどね」(同)

 今回、依願退職となったAには血税から退職金が支払われることとなる。こんなことで国民の納得が得られるのだろうか。

デイリー新潮編集部

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