「上智大生殺人事件」から26年 被害者の父親が語る「決して犯人逮捕をあきらめない」

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 平成に起きた凶悪事件のなかでも、世田谷一家殺人事件、八王子スーパーナンペイ射殺事件と並んで、三大未解決事件に数えられる「上智大生殺人事件」。9日で発生から26年を迎えるこの事件を警察は威信をかけて追い続けているが、未だ犯人の検挙には至っていない。惨劇から長い年月を経たいま、被害者の父親が遺族の抱える葛藤、そして、非業の死を遂げたわが子への思いを語った。【水谷竹秀/ノンフィクション・ライター】

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 それはちょうど1年前の命日に当たる9月9日のことだった。

 殺害された小林順子さん(当時21)の父、賢二さん(76)から、私の携帯電話にこんなメッセージが届いた。

「今年は25年目という大きな節目の年で、メディア各社から取材の要請がたくさん入りました。ですが来年以降が心配です」

 事件発生から26年目は、節目の年に比べて報道が減ってしまい、風化してしまうのではないかという懸念である。未解決事件の場合、報道の数に比例して世間の関心を引くため、特に節目の年は普段以上に情報が集まりやすい。また遺族の声は、現在もどこかに潜伏している可能性のある犯人に対して、「忘れていないよ」というメッセージにもなる。

 だから遺族としては、命日を前に、報道機関からの取材申し込みがどれだけ入るのかが気掛かりなのだ。

 その節目の年から間もなく1年となる今年の夏の終わり。賢二さんに状況を尋ねると、こう返ってきた。

「まだ全てが来ているわけじゃないけど、従来の90%は取材の要請が入っています。我々としては大変ありがたいです」

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