日大「韓国人タレント学者」が“経歴詐称”で懲戒解雇 「米国弁護士資格」がウソ? 本人は取材に「不合理な解雇」と主張

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「更新していなかっただけです」

 だが、本人に取材してみるとまったく言い分が違うのである。

「私は在職中、日大のために貢献してきたつもりです。危機管理学部の教員として文科省から科学研究費をもらって誠実に研究してきました。来年度から大学院設置が認められたのも、こうした貢献があったからであるはずなのに、なぜこんな扱いを受けなければならないのでしょうか」  

 こう嘆息する金氏。やはり問題視されたのは「ニューヨーク州弁護士資格ではないか」という。だが「経歴詐称などしていない」と強調する。

「06年に私は留学生向けニューヨーク州弁護士試験を受け、ちゃんと合格して弁護士としてアメリカの大手ローファームに勤務していました。弁護士協会から送られてきたライセンスも所持しています」

 そう言って、他人に見せないことを条件に有効期限が17年12月と印字されたライセンスを見せてくれた。ただ、失効してしまったというのだ。

「この資格は2年に一回更新しなくてはならず、17年頃から私は多忙を極めていたため更新できませんでした。大学にも伝えましたが、試験を行った団体が数年前から有資格者との間でライセンスの更新を巡ってトラブルを抱えていたとの情報も今回調べる中で聞きました。ただ、更新をしていなかったので詳細は分からないです」

退職願いを出したら、突然……

 そして、そもそもアメリカの弁護士資格は大学の研究業務と無関係だと主張する。

「私は大学で弁護士業務をしているわけではありません。アカデミックな研究をしている研究者ですから、現在弁護士資格があろうとなかろうと関係ないはずです。大学の対応について、知人の法律家たちにも相談してきましたが、みな懲戒解雇はおかしいと口を揃えます。他に思い当たる節もない。学術的な背景となる早稲田の修士と博士の学位は持っていますし、早稲田大学出版部から専門書も出しています」  

 2年くらい前から体調が悪く、特に昨年12月くらいから病状は深刻なものになったという。今年度はスタートから休職を申し込んだ。

 しかし復帰のめどがたたず、7月に学部の事務担当者に退職の意向を伝えたものの全く返答がなく、自ら退職願いを提出したが受理されず、突然、経歴が問題視されたというのが金氏の言い分だ。

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