根尾昂、ポジション「迷走」招いた破格の“副収入”とは 「背水の陣で臨めない」ウラ事情

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「試合に出られるならどこでもいい」

 根尾はプロ入り時、遊撃手一本でレギュラーを目指していた。だが、守備では京田の足元にも及ばず、打撃でもそれを凌駕するものをアピールできなかった。遊撃に比べ守備の負担が軽い外野に回ってからは、より打力が求められたものの低空飛行が続いた。そして今年も、複数ポジションをこなした後、交流戦後に投手に落ち着いたのだった。

 処遇が二転三転したのは一見、首脳陣や球団の決断力のなさが原因のようにも映る。だが、昨季までの与田剛前監督時代、首脳陣が根尾に内外野、どのポジションをやりたいかを尋ねると「試合に出られるならどこでもいいです」と答えたという。遊撃手、外野手は同じ野手でも全くの別物にもかかわらずだ。ましてや投手なら、なおさらである。ドラスティックな配置転換で、これだけ回り道したことは、野球人生にも関わるほどの重大事に見えるが……。

「グラウンドでの稼ぎとは別の“副収入”がなければ、人任せではなく、自ら“このポジションで勝負する”と背水の陣で臨んでいたかもしれない。人気面が課題の球団も、根尾には戦力としてより、集客などに期待してきた側面がある。どうしても選手として育てることが二の次になっていた」(前出の中日関係者)

大谷翔平は、副業だけで27億円

 もちろん、本業以外の稼ぎが大きいことは、その選手の価値の高さの証しでもある。米経済誌フォーブスによると、昨年のプロスポーツ選手に対する調査で、競技外の収入では総合格闘家のコナー・マクレガーがトップで1億5800万ドル(約216億円)だった。日本人選手では、女子テニスの大坂なおみが競技での500万ドル(約6億9000万円)に対し、競技外で5500万ドル(約75億円)を稼いだ。エンゼルスの大谷翔平も年俸は5500万ドル(約7億5000万円)だが、競技外の収入は2000万ドル(約27億円)に上った。

「根尾は副収入の方が多いことに引け目を感じることはない。1軍でレギュラーでなくても、稼げるというのは胸を張ってもいい」(米駐在記者)

 その一方で、「ハングリー精神を失うのではないか」との懸念の声はもっともだ。

「根尾がどうしているのかは不明だが、本人には一切、知らせないで親などが収入を管理するのも手」(元NPB球団社長)

 来季で根尾はプロ5年目。自身と同学年の、大学を卒業したルーキーたちがプロ入りしてくる。「収入が多いことで、いよいよ後がないと思えるのかどうかは疑問。気付けば選手として可能性や期待感が消え、人気もなくなっているということにならなければいいのだが……」(中日関係者)との指摘は切実に聞こえる。

デイリー新潮編集部

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