「子供に失敗させろと言うんですか!」 着替えが自分でできない息子に焦る母…原因はどこに?
子供が失敗しないようにする子育て
3歳のご子息は自分でボタンを留めないのでしょうか。
「ボタンはまだ留めさせていません。ボタンを留めるのは時間がかかりますし、おっしゃる通り、最後に泣いてしまうこともあります。一度泣きはじめるとなかなか泣きやまず、朝食の時間が遅れてしまいますから、シャツのボタンは私が留めることにしています。そのほうが速くて確実にできますよね」
もちろん、お母様が行われるほうが速くて確実です。
30歳を超えたお母様であればボタンを留める順番とボタンホールの位置を間違えることはありませんから、確実に速くできます。
ボタンをきちんと留めることができなくて泣きだしてしまう――その泣き方は、時として、まるでこの世の終わりかと思うほどの号泣、とても絶望的な泣き方だったりします。
ボタンひとつのことでこれほど全力で涙を流すことができるのは可愛いなあ、頬の上を涙が粒のように流れていくのは綺麗だなと、私など、娘が幼い頃に思っていましたが、それは母親によって感じ方が異なるところです。
彼女は、ご子息が泣くことがないように、子供が失敗しないように、また、時間を無駄にすることのないよう気にかける子育て法を取っているようです。
「転んだら危ないでしょう?」
靴を履くときはどうでしょうか。
「子供用のクロックスは自分で履いています。サンダルタイプは自分で履きますが、バックストラップがついている場合は私が手伝います。スニーカーの靴紐を結ぶのはまだ無理ですが、マジックテープで留めるタイプは自分で履けます。できない子ではないのですが、自分から進んでやろうとはしないところが心配です」
3歳だったら、13~15cmくらいの靴でしょうか。子供用のクロックスは可愛いですね。スニーカーのマジックテープを自分で留めることができるのであれば、クロックスのバックストラップも何度か繰り返すうちに自分でできるかもしれません。
ところが彼女は否定します。
「マジックテープは前に付いていますが、バックストラップは後ろなので留めにくいですよね。靴がきちんと履けていなくて転んだら危ないでしょう?」
そうですね。たしかに靴はきちんと履いていなければ危険です。子供は小さな段差や窪みに足を取られて転ぶことがあります。
だから、多くの母親は、子供が一人で履いた靴の留め具がきちんと定まった場所にあるか確かめて、それから玄関のドアを開けて外出します。
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