「子供に失敗させろと言うんですか!」 着替えが自分でできない息子に焦る母…原因はどこに?
息子が「外の世界に興味を持たない」
家族問題評論家の池内ひろ美さんは1996年に「東京家族ラボ」を開設して以来、4万件近い家族問題の相談に乗ってきた。離婚、結婚、恋愛、不仲等々。こうした問題は、SNSが普及して、家族が皆LINEで頻繁に連絡を取るようになったからといって減ったわけでもない。むしろ余計に事態がややこしくなっているという面もあるようだ。
また、昔ならば親や周囲の人に気軽に相談していたような事柄を相談に来る人もいるという。池内さんが実際に直面した最近の家族問題とはいかなるものだったのか。【SNS時代の家族問題/第3回】
(個人が特定されないように年齢など一部を変えています)
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思うように子育てができないと悩みを抱える母親は多いものです。
「息子は3歳になったのに、あまり外の世界に興味を持たないようですが、大丈夫でしょうか」
それは、いわゆる発達障害ではないかという心配を抱えていらっしゃるということですか。それならば、私の領域ではないので、病院に行かれたほうがいいのでは。
「いえ、違います。いえ、もちろん発達障害も疑いました。ネットでチェックもしてみましたし、クリニックや専門機関を訪ねて診察を受けましたが、発達障害やADHDではないだろうとの診断を受けています」
とてもお子様思いで、勉強熱心なお母様ですね。
「私がする通りに任せきり」
まだ3歳であれば医師の診断も難しいのではないかと感じられますが、いずれにせよ、お子様の発達のなかに障害的なものを感じているのではなく、子供の発達段階に対する心配でしょうか。
「そうです。インターネットで発達段階シートを検索してチェックし、確認してみました。息子の場合は、『じぶんでやりたい』気持ちが現れるはずなのに。うちの息子は私がする通りに任せきりです。そこが心配なんです」
とても知識豊富なお母様です。
たしかに、2~4歳の子供の発達段階でいえば、身の回りのことを自分でしたがりはじめる時期ではありますよね。
たとえば、朝起きてパジャマから外出着にお着替えをする時に、シャツのボタンを自分で留めたいからと母親の手を払いのけて、小さな指でボタンを持ち、反対の手でボタンホールのある生地を押さえて、ぐうっと首を傾けてのぞきながら、首に近い位置からボタンを留めはじめます。
その時よく起こることですが、最初に留める一番上のボタンの位置を間違えてしまうと、上から順に下へ向かってひとつずつ留めていくことでシャツの左右衣がズレてしまう。その結果、最後のボタンを留めるはずのボタンホールが存在していない。そのことに気付いて、最後のひとつのボタンを小さな指でつまんだまま泣きだしてしまうというのも幼い子どもにはよくあることです。
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