国民に歓迎されると思ったのに…「国葬」即断で岸田首相が犯した大きすぎる「2つのミス」

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裏目に出た決断

 読売新聞が同日に行った調査では、内閣支持率は57%だった。共同やNHKよりも高かったが、それでも国葬は「評価する」49%、「評価しない」46%と拮抗した。担当記者が言う。

「結局、反対が賛成を上回った調査が多数を占めました。例えば、産経新聞とFNNの合同調査ですが、7月の調査では“賛成派”が50・1%でした。ところが8月20日と21日に調査を行うと、『反対』が51・1%、『賛成』が40・8%と逆転したのです」

 同じ産経・FNNの調査だとしても、質問項目が微妙に違うため単純な比較はできない。また違う新聞社の調査を比較するのは正しいデータ分析ではない。

「とはいえ、新しい世論調査が次々に発表されていくたび、どんどん国葬反対のパーセンテージが増えていくのは、やはり自民党にとって大きなプレッシャーでしょう」(同・記者)

 皮肉なことに、2021年秋の自民党総裁選で岸田文雄首相(65)がアピールしたのは、「聞く力」だった。

「ところが、国葬に関しては、決断力を発揮したわけです。それが完全に裏目に出てしまった。世論調査で国葬反対の意見が上回り、政権支持率の逆風となりました」(同・記者)

 国葬が発表された時、大手マスコミの多くは「岸田首相は自民党内の保守派に配慮した」と解説した。だが、ベテランの政治記者は「実情は、ちょっと違います」と否定する。

「安倍さんが奈良市内で銃殺されたのは7月8日。岸田さんが国葬を行うと記者会見で発表したのは、わずか6日後の14日でした。安倍さんと岸田さんは共に1993年の衆院選で初当選した同期で、一般の有権者が思っている以上に親しい仲でした。そんな安倍さんが凶弾に倒れ、岸田さんは激しいショックに襲われました。そのため『何としてでも国葬で送りたい』と考えたのです」

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