天皇皇后を国民から遠ざける宮内庁 愛子さま100%リモートの背景に陛下のご懸念も

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英王室の創意工夫

 海外の王室に詳しい関東学院大学の君塚直隆教授が言う。

「英国では園遊会が年に4回催され、うち3回はバッキンガム宮殿が会場となり、毎回8千人以上が招かれます。今年も5月に開かれ、エリザベス女王は欠席しましたが、チャールズ皇太子以下、王室ファミリーはマスクを着けずに参加していました」

 6月には、女王の在位70年を記念する「プラチナ・ジュビリー」が盛大に催されたのも記憶に新しい。

「英国の園遊会の参加者は、日本のように政財官界やスポーツ界の功績者だけでなく、各地方の首長が推薦した一般人も多い。彼らは、地域のために長く貢献してきたボランティアの人たちなどです。今後は日本でも多様な分野から招待し、回数も増やせばいいのではないでしょうか。国民と皇室が近づく手立てはいくらでもあると思います」

 その上で、こう提唱するのだ。

「皇室もSNSやユーチューブを活用すべきです。エリザベス女王は1952年の即位以来、ラジオやテレビなどでメッセージを発信し続けてきました。王室側もまた、メディアから映像を借りるなど発信に趣向を凝らしており、この手法を北欧やベネルクス三国の王室も倣(なら)ってきたのです」

「事実上、全国民が観た」

 圧巻は20年4月だった。

「コロナのまん延下、女王はBBCのニュースで“必ずまた皆会える”と国民に団結を訴えました。その放送はユーチューブにも接続され、2400万人がリアルタイムで視聴し、オンデマンドでは事実上、全国民が観たといわれています」

 ところが宮内庁といえば、

「陛下の新年のメッセージなどをホームページにアップしていますが、単なるアリバイ作りとしか思えません。役所ではなく、皇室のHPを新たに設けて発信しなければ全世代に向けたメッセージにはならない。あらゆる点で宮内庁は出遅れており、陛下が国民の前にお出ましできない状況について、本当に深刻に感じているのか大いに疑問です」

 創意工夫のない役所の不作為で「開かれた皇室」が閉じられかねないのだ。

週刊新潮 2022年9月1日号掲載

特集「『園遊会』『ご静養』またも取りやめ 宮内庁が『天皇皇后』を国民から遠ざける」より

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