「いきなり!ステーキ」社長辞任の前途多難 店舗拡大、顧客軽視…そして最大の失敗は?

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業績予想を下方修正

 ペッパーランチを売却した影響で、かなり苦しい状態にあるという。

「ペッパーフードサービスの2019年12月期の売上は675億円もあったのに、2021年12月期は189億円と大幅に落ち込みました。営業利益は、2019年12月期で7100万円の赤字。2021年12月期は、14億円の赤字です。さらに今年の8月、2022年12月期の業績予想を下方修正しました。当初の予想は、純利益は2億1600万円の黒字でしたが、10億9000万円の赤字に修正したのです」

 株価はどうか。

「マザーズに上場した2006年10月27日は420円でした。ピークだったのは2017年11月24日で7161円。そして今年8月30日は260円と、上場した時よりも下がっているのです」

 株主にとっては踏んだり蹴ったりである。株主優待制度も今年6月末で廃止となった。

「一瀬社長が引責辞任した時期が遅すぎましたね。昨年に大きく赤字になった段階で辞めるべきでした。また、後継者として長男を据えたことも疑問です。副社長だった長男にも業績悪化の経営責任があります。同族以外の人を社長にするべきです。一瀬社長の辞任を発表したとき、株価は上がりませんでした。マーケットから評価されない社長交代劇だったということです」

 社長が辞任しても、「いきなり!ステーキ」の店には、シェフ姿の一瀬邦夫社長の看板がかかっているという。

「日本の企業で、社長の看板を掲げているところは他にありません。一瀬氏は、自己顕示欲が非常に強かった経営者でした。それがアダとなって、経営戦略のミスを招いてしまったのでしょう」

デイリー新潮編集部

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