葉梨法務大臣の「闇ゴルフコンペ」に違法の疑い 有権者への利益供与で公選法に抵触か
賞品には55インチテレビも
「この行事は先代から続けられています」
と語るのは、葉梨大臣の後援会関係者だ。
「ラウンド後、表彰式があり、そこで参加賞や賞品が渡される。プレー費は1万円前後で、うち会費が2千円ほど。この会費と企業などからもらった協賛金、協賛品で賞品を用意するんです。地元のJAはお米を出していましたね。代議士はプレーにはほとんど参加しない。打ち上げの席に来て、あいさつをし、親睦を深めるんです。会費は事務所のスタッフが集めることもありました」
入手した16年開催のコンペの案内状を見ても、主催は「葉梨康弘後援会」とあり、定員は400人。〈表彰式では豪華賞品をご用意しております!!〉として55インチのテレビの写真が掲載され、〈本大会は多くのご協賛により成り立っております。ご協賛を頂ける場合は事務局までご連絡〉をと、代議士の地元事務所の住所と電話番号が記されているのだ。
その場しのぎの…
このゴルフコンペ、最後に行われたのは、18年。20年にも開催が予定されていたが、新型コロナのまん延で流れたという。
しかし、前出の地元政界通が危惧したように、この大会、法の観点からは相当グレーと言わざるを得ない。
第一の問題点は、会の収支報告が一切、なされていないこと。
「政治資金規正法では、団体にまつわるすべての収支を収支報告書に記載するよう、義務付けています」
と言うのは、政治資金に詳しい、神戸学院大の上脇博之教授。
しかし、このコンペの主催者である「葉梨康弘後援会」のここ10年ほどの政治資金収支報告書を見ても、ゴルフ大会に関わる記述は一切ない。金の流れは闇に包まれているのだ。
また、このゴルフ大会に企業から協賛金や協賛品が提供されていることは先に述べた通り。しかし、
「政治資金規正法上、企業から寄付を受けられるのは、政党や政党支部などに限られます」
と上脇教授が続ける。
「が、この主催者たる『葉梨康弘後援会』は政治団体ですから、そもそも企業からの寄付は受けてはならないのです」
何より、先に述べたように、このコンペには万単位に上る高額の賞品が提供されている。
「それらは会費の額を上回っていますから、後援団体による選挙区の者への寄付と見なされ、公職選挙法に抵触する可能性が生まれます」(上脇教授)
元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士も、
「ご指摘の実態であれば、法律上の問題があると考えられます」
と言うが、では、当の葉梨大臣の見解はいかがか。
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