「24時間テレビ」有観客で視聴率もアップ それでも浮かない顔をしている日テレ社員がいるワケ

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 夏の風物詩「24時間テレビ」(日本テレビ)は無事に終了した。3年ぶりの有観客、5年ぶりの公道マラソンも上手くいった。平均視聴率は13・8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯:以下同)と昨年の12・0%から1・8ポイントも上昇した。番組スタッフは胸をなで下ろしたかと思いきや、心配はまだ残っているという。

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 今年の「24時間テレビ」は、ジャニーズ事務所の二宮和也、中丸雄一、山田涼介、菊池風磨による“ジャにのちゃんねる”がメインパーソナリティーを務め、チャリティーランナーのEXIT・兼近大樹が100kmマラソンを笑顔で完走。年内でコンサート活動を終了するため、今回が番組ラストステージとなる加山雄三が「サライ」を歌って、大団円のうちに放送を終えた。日テレ関係者は言う。

「放送前、総合司会の水卜麻美アナらが新型コロナに感染したこともあり、本当に有観客で大丈夫なのかと心配は尽きませんでした。しかし、感染者を1人も出すことなく放送できたのは何よりだったと思います」

 おまけに視聴率も前年よりアップした。

「テレビ離れが叫ばれる中、民放週間視聴率ベスト10の上位3番組は、『24時間テレビ』と直後の『行列のできる相談所』、そして『ヒューマングルメンタリー オモウマい店』(中京テレビ制作)と日テレが独占しました。おかげで『24時間テレビ』のスタッフは、社内表彰されることになったようです」

 ところが、本部の運営スタッフは浮かない表情だというのだ。

偽善番組と言われようとも

「番組終了時、募金額の中間発表がありましたが、今年は3億1819万4209円だったんです」

 大した金額だが、

「昨年の『24時間テレビ』の募金総額は、8億8621万4435円と史上最低レベルでした。この時の中間発表は4億2102万9826円。つまり今年の中間発表は、最低レベルの昨年より1億円以上も下回った。しかも、キャッシュレス募金も1億円を超えた程度で、昨年より3000万円も減っていると聞きます」

 キャッシュレス募金は、クレジットカードやスマホのキャリア決済で寄付ができる、近年導入された新システムだ。

「偽善番組と言われようとも、視聴率目当てと言われようとも、『24時間テレビ』の存在価値、免罪符はチャリティです。貧しい人やお年寄り、身体に障害を持つ人たちを募金によって救う福祉支援をはじめ環境保護活動支援、災害復興支援という大義名分があるからこそ、45回も続けられてきました。その金額が減るということは、番組の存続意義が失われつつあるということにほかならないのです」

 あくまで中間発表の金額だが……。

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