力道山、杉村春子、市川染五郎…107歳で逝去、日本初の女性報道写真家「笹本恒子さん」が語っていた「昭和の著名人」秘蔵写真
“色気”が沸き立った
中でも、笹本さんの心に深く刻まれたのは、1958年に撮影した女優の杉村春子だった。
「お住まいは、新宿の文学座に隣接していました。お裁縫をしていて、歯で糸を切った瞬間、さすが女優ですね、なんともいえない“色気”が沸きたったのです。その一瞬を捉えました」
1957年、8代目松本幸四郎(初代白鸚)を撮影した際は、当時学生だった2人の子どもも撮った。
「本人だけ撮影して帰るつもりが、『息子たちも帰って来ましたからどうぞ』と。舞台にも出ているというのです。兄が市川染五郎さん(2代目松本白鸚)、弟が中村万之助さん(2代目中村吉右衛門)でした」
107歳で天寿を全うした笹本さん。長寿の秘訣について、こんなことを語っていた。
「年を重ねても若くて健康でいられる秘訣は、食事です。人工甘味料や保存料、化学調味料などの添加物を一切摂らなかったのです。ハムやベーコン、ソーセージなどの加工食品も買いません。生の肉や魚、野菜だけを買ってきて、自分で調理します。それをずっと通してきました。それから欠かせないのは、毎晩の赤ワイン1杯ですね」