巨人、3位浮上のためにいま打つべき手は【柴田勲のセブンアイズ】

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低迷の原因

 ここに来て巨人の調子が上向かない。前回の今コラムで2位確保のシナリオを描き直して「3位死守」と記したが、23日からの中日(東京ドーム)、広島(マツダ)の6連戦を3勝3敗で終えた。

 特に1勝1敗で迎えた28日の広島戦はなんとしてでもモノにしたかったが、先発の赤星優志が4四死球で早々と崩れ、打線もここぞの一本が出ない。吉川尚輝の2失策も失点に結び付いた。巨人はこれで74失策となり、阪神を上回ってセ・リーグ最多失策チームとなってしまった。

 失策は失点に直結するから目立つ。昨年は45失策で2年連続リーグ最少だったことを思えば巨人らしくない。このへんにも今季の低迷の原因がある。

 借金は今季ワーストタイの7で5位転落、3位・阪神とは2ゲーム差、後ろを振り返ると最下位・中日とは1.5ゲームだ。先週の状況と変わっていない。

菅野の投球の変化

 この6連戦、救いといえば菅野智之と戸郷翔征が白星を挙げたことだろう。菅野は23日の中日戦で8回を無失点だったし、戸郷はこれまた25日に自己最多を更新する11勝目をマークした。8回を6安打1失点で11奪三振だ。安定感が増してきた。

 特に菅野は今年一番の出来だったと思う。ここ2、3年の傾向だが横のスライダーを多投してきた。どうしても横振りとなってヒジが下がってしまう。球が打者のベルトの高さ辺りに集まりやすい。

 この日はヒジが上がってリリースポイントが高くなっていた。ヒジが上がると球が低めにいくし、タテ気味に曲がるスライダーや上からのカーブも有効になる。ヒジが楽になるし真っすぐのスピードも出ていた。

 菅野も意識したのだろう。春先から変化球でかわす投球が目立ったが、やっとらしさというか良さが出てきた。

 巨人は残り23試合となった。3位に浮上するために菅野と戸郷を中4日、中5日で回す時がきたのではないか。もちろん、球数が70~80だったら中4日、100球を超えたら中5日にする。球数制限をする。様子をチェックしながら起用する。

(翁田)大勢は勝ち試合なら8、9回と起用する。回またぎや3連投もありだ。

 原辰徳監督以下首脳陣が「無理をさせられない」となれば実現は不可能だが、このような姿勢はチーム全体に反映される。全員で頑張ろうと気運が盛り上がる。打つべき手を打つ。若手投手たちを使うより残り試合数を考えたら決断する時期だと思うのだが。

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