石原さとみ「トリセツショー」復帰、市村正親“代役終了”で囁かれていること
キャスティングの勝利
そもそも番組名が「トリセツ“ショー”」というだけあり、市村がMCの時はスタジオのセットが劇場のようになっていたこともあった。
これに合わせるように、市村も演劇的というか、ややオーバーアクションで番組を進行した。これがプロの作り手も驚くほどのクオリティだったという。
「市村さんは劇団四季で鍛えられ、キャリアを重ねていった演劇人です。あの“MCキャラ”は、まさに適役でした。かつてフジテレビが放送した『料理の鉄人』(1993~1999)でMCを務めた鹿賀丈史さん(71)を思い出した人も多かったはず。鹿賀さんの進行も演劇的でしたし、同じく劇団四季の出身です」(同・スタッフ)
俳優の市村は、台本に従って番組を進行した。もしお笑い芸人がMCであれば、アドリブも自由自在。「市村のMCは台本頼みでつまらない」と低評価につながってもおかしくない。
ところが、市村のMCは面白かっただけでなく、安定感も抜群だった。何より「MC=お笑い芸人」という図式が定着しているテレビ界で、視聴者が市村の司会を新鮮に受け止めたようだ。
「まさにキャスティングの勝利です。石原さんの代役を、お笑い芸人やタレントに頼らなかった。番組スタッフは、“女優”である石原さんが“MC”を務めるところに価値があると考えていたのでしょう。だから代役は、役者であることを最優先し、男優の市村さんを抜擢したのだと思います」(同・スタッフ)
人気MCの誕生!?
とはいえ、石原と市村ではあまりにもキャラが違う。代役が発表された時、「視聴者が混乱するのではないか」と不安視する声もあったというが、それは杞憂に終わったようだ。
「むしろ違いすぎたからよかったのでしょう。石原さんのような美人女優が代役を務めたほうが、視聴者は戸惑ったに違いありません。本来のMCである『石原バージョン』と代役MCの『市村バージョン』は、演出も含め、番組の雰囲気が明確に違いました。どちらも別の魅力を持っているので、視聴者が石原さんの産休に動揺することがなかったのだと思います」(同・スタッフ)
演劇人らしい発声の見事さ、デフォルメされたことで笑える芝居調のセリフ回し、何よりインパクトの強いキャラ──どうやらテレビ業界は、視聴者の人気者になり得る“新人MC”を手に入れたようだ。
「ただし、いくら市村さんでも、普通のバラエティ番組のMCは務まらないと思います。それは芸人さんやアナウンサーの独壇場でしょう。そうではなく、“エンターティナー・市村正親”が映える番組フォーマットを作り、演劇的なMCで大暴れしてもらうのが理想です。また、メインMCではなくサブMCなら、メインのMCがしっかりフォローすることができます。場合によっては、バラエティ番組以外でもハマるかもしれず、起用の幅が拡がる可能性があると思います」(同・スタッフ)
[2/3ページ]