統一協会 報道機関“恫喝声明”の読み方 テレビマンは「マスコミは完全無視。彼らを恐れているのは」

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過熱報道はPRにも

「当時の統一協会は、訴訟合戦になるような泥仕合は望んでいなかったようです。むしろ、たとえネガティブな報道であっても、統一協会が大きく報じられることを喜んでいるかのような節がありました」

 ソウルのオリンピックスタジアムで行われた合同結婚式には各局が乗り込み、参加者が教祖の文鮮明に向かい「マンセー!」と叫ぶ姿が大きく報じられた。

「五輪並の報道量となり、高視聴率も獲得しました。中でも日本テレビは、信者となった飯星景子さんを父で作家の飯干晃一さんと共に奪還するという報道で話題になりました」

 それが現在の日テレ系「情報ライブ ミヤネ屋」(読売テレビ制作)の統一協会報道につながっていることは、デイリー新潮「統一教会報道で名を上げる『ミヤネ屋』 他の番組にはマネできない秘密が」(8月5日配信)で報じた。だが、当時の報道は長くは続かなかった。

「94年には松本サリン事件、翌年には地下鉄サリン事件、そして教祖・麻原彰晃の逮捕と、オウム真理教の報道に変わってしまったため、その後の統一協会には誰も注目しなくなったのです。結局、92年の統一教会報道は、彼らのPRに手を貸してしまっただけではないかという自責の念に駆られることもあります」

 その後、統一協会は宗教法人の認可取り消しになることもなく、世界平和統一家庭連合へと名称を変更して現在に至っている。

自民党は動けない

「手を替え、名も変え、自民党に忍び寄った結果が、萩生田光一政調会長に象徴されるのかもしれません。彼だって統一協会であることは当然知っていたとは思いますが、真如苑や立正佼成会などの宗教団体との関係を公言している議員もいますからね。『壺はもう売ってない』程度のノリで付き合っていたのかもしれません」

 票にさえなれば、なんでもやるのが今の政治家だ。

「統一協会の目標は、創価学会のようになることかもしれません。学会を支持母体とする公明党をつくり、自民党と組んで政権与党に成り上がった。統一協会が政党を作るのは難しいとしても、自民党議員をバックアップすることで政界での影響力を行使したかったのでしょう。こんなことを言うと、『一緒にするな』と公明党が怒りそうですが、霊感商法は論外としても、同じ宗教法人である創価学会と統一協会が政治家を支援することは何が違うのか、説明は難しいのではないでしょうか」

 統一協会との関係を断つと宣言する自民党議員も出てきたが、

「そう簡単じゃないと思います。統一協会だって馬鹿じゃない。これまで選挙などで、どれくらい協力してきたか、記録に残していると思いますね。仮にそうしたものが全部暴露されたら、国会議員は終わりじゃないですか。それを分かった上で、今回の声明を出しているとみるべきでしょう。それくらい彼らは強かですよ。ですので、自民党議員が教団との関係を自ら調査して、完全に決別するなんて無理だと思います。《調査結果》の公表を一番恐れているのは、報道機関ではなく自民党議員でしょうね」

デイリー新潮編集部

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