技能実習制度のベトナム人はそんなにヤバいのか 実務経験者が語る「反社とのリアルな関係」
玉石混交のリアル
前者だと実際に、
「並の日本人以上に動くし、技術をものにしようとする姿勢や早く日本語を習得して馴染もうとする態度、どれも息子に学ばせたい」
「社長に直談判してでも社の代表として資格を取ってもらい、早いうちに先頭に立って日本人従業員をも指導してもらいたい」
「ゆくゆくは正式に雇えるよう最後まで全力で寄り添いたい」
と経営者や部門の責任者が熱心に話すのを聞いた。
「学んだことを活かして母国で絶対に起業する」
「涙ながらに送り出してくれた家族を幸せにするため、必ず日本の技術を持って帰る」
と目を輝かせる技能実習生にも、モニター越しではあるが会って話した。
日本の国際貢献、技術の伝承を通じた民間交流が花開いた実例だと思う。
一方で、少ない賃金で熱心に働いてくれる技能実習生がいたから何とかやってこれたが、デフレにコロナ禍で廃業せざるをえなかった、という小さな企業についての報道もあった。もちろん、技能実習生による犯罪や事件も報じられている。
一大決心をして、互いに良い関係を築いて良い相乗効果を生み出そうとしている外国人と日本企業。制度にうまく乗っかり、良い目を見ようとしているだけの外国人と日本企業が実在する。
正しい議論の必要性
それらを一括りにして制度の良し悪しを語っている限り、より良い結論が導かれるとは思えない。深く知ろうともせずに安易な批判を繰り返し、その結果、行く先を間違えれば、社会を下支えする中小、零細企業を一網打尽にしかねないからだ。
いかに機械が進化しようと、人口知能が優秀になろうと、実効性のある労働力が国力の源泉であることに変わりはない。
日本の将来と国際貢献のために、技能実習制度をどのように残し、どこを改めるのか。腹を括り、腰を据えて議論を積み上げていかなければならない。
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