純粋か鈍感か? 批判続出の「ちむどんどん」 愛される朝ドラヒロイン像に変化あり?

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 NHKの朝ドラ「ちむどんどん」が話題だ。「ちむどんどん」どころか、どんどん出てくるのは批判ばかり。ヒロインの振る舞い、脚本や方言の粗……「#ちむどんどん反省会」のハッシュタグで、SNSは今日も大盛り上がりだ。さすがに主演の黒島結菜さんやスタッフが気の毒に思えてくる。朝ドラにそこまで思い入れが無い身としては、朝ドラヒロインの典型という印象だからだ。底抜けに明るく一生懸命な、たくましい女性。でも時々うっかり系。なんというか、偉いおじさんたちにかわいがられるタイプだと思う。

 でもこの手のヒロインに周囲が振り回されるというのもまたお約束。ドラマでも現実でも、元気で感情表現豊かな女性はよくモテる。ただ自分の感情にまかせて突っ走る一方、周囲の感情にはめっぽう鈍感というケースも多い。近くで見ている人が「悪気がないのはわかるけど、なんか損した気にさせられる」とモヤモヤを抱えるのもあるあるだ。

 批判の多かった朝ドラヒロインといえば、「半分、青い。」で永野芽郁さんが演じた楡野鈴愛や、同じ沖縄を舞台にした「純と愛」で夏菜さんが演じた狩野純と重なる。天真爛漫ともいえるが、自分の理想に対するこだわりが強くて悪びれない。ドラマ名を検索しようとすると、いまだに「イライラする」「嫌い」と言うワードがサジェストされるほどだ。

 本作の暢子も例に漏れず、純粋系というか鈍感・強引ぶりにイライラさせられる人が続出。働いているイタリア料理店のオーナーに食ってかかったり、仕事を理由にプロポーズを断るも、婚約者のいる幼なじみになびいたり。結婚式では同僚らの前で「沖縄料理の店を開きたい」と堂々宣言。やたら料理がダメになる描写など、脚本や演出にも批判の矛先が向いた。「愛される朝ドラヒロイン像」の描き方が、ちょっとピントがずれてきているということなのかもしれない。

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