24時間テレビ 今年のチャリTシャツはなぜ売れていないのか

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SMAPも着たチャリT

「05年のメインパーソナリティーはSMAPの草なぎ剛と香取でした。この年から黄色一色ではなくなり、赤、青、黒、白を加えた全5色での販売となりました。SMAPの5人が別の色のチャリTを着たことも話題となり、放送前にすでに28万枚を売り上げ、最終的に35万枚を超えました」

 当時1枚1365円だから、およそ5億円の売上だ。材料費や制作費を抜いた定価の半分が寄付されたとしても、2億円以上が募金されたことになる。

「さらに販売枚数を増やしたのが、嵐の大野智です。12年は奈良美智さんとのコラボで約46万枚、13年は草間彌生さんとのコラボで124万枚を販売しました」

 13年は1枚1500円だから、チャリTだけで18億6000万円(!)の売上である。ちなみに、この年の募金総額は15億4522万6444円で歴代3位だ。

 募金総額の1位は東日本大震災があった11年の約19億8000万円。2位は19年の約15億5000万円で、嵐がメインパーソナリティーを務め、チャリTのデザインは大野の単独だった。

「19年の大野デザインのチャリTがどれくらい売れたのかは発表がないので分かりませんが、それまでの実績から見ても、かなり売れたはずです」

 ところが、今年は売れていないというのだ。

上層部の当てが外れた

「例年、『24時間テレビ』の放送週に入るとほとんどの番組で、アナウンサーやジャニーズのアイドルたちがチャリTを着て、週末に番組が放送されることを宣伝していました。しかし、今年はチャリTが売れていないため、放送の1カ月前から着用するという珍事が起こっているのです」

 番組の宣伝だか、チャリTの宣伝だかわからない。どうしてこんなことになったのか。

「昨年はKing & Princeがメインパーソナリティーを務めたので、チャリTはメンバーの高橋海人がデザインしました。『24時間テレビ』にはジャニーズのアイドルグループが出演するため、そのファンがチャリTを購入することが多い。全色を購入するファンも少なくありません。ところが今年のデザイナーは、ジャニーズではなかったのです」

 今年はイラストレーターの長場雄氏によるデザインだ。

「雑誌『POPEYE』や『GINZA』で活躍する、線画がお洒落なイラストレーターです。日テレ上層部は、『24時間テレビ』が終わっても着ることができるような“奇抜ではないデザイン”にしたそうです」

 たしかに、今年のチャリTは黒い線画のイラストで、例年に比べ地味かもしれない。

「一般のアパレルブランドが販売しているTシャツのようで、正直言って『24時間テレビ』らしいインパクトがありません。そのため、1カ月前から日テレの番組でアナウンサーが着ていても、『24時間テレビ』の宣伝にもならないし、チャリTの売れ行きも上がらないのです」

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