24時間テレビ EXIT「兼近」は5年ぶりの単独マラソン 日テレと吉本興業の深い思惑とは?
今年こそマラソンのワケ
「たしかに『今わざわざ公道を走らなくても』という声もあります。とはいえ、今年の『24時間テレビ』が企画された時点では、コロナ禍も落ち着いてきていました。ですから『今年こそはマラソンを復活させよう』と意気込んだ。まさか夏前になって、第7波がやってくるとは思いもしなかったのです」
昨年と一昨年の箱根駅伝で日テレは、「応援したいから、応援にいかない。――観戦・応援目的での外出はお控えください」というキャンペーンポスターを作って、新型コロナの感染拡大防止に努めていた。チャリティーマラソンも昨年や一昨年と同様、また陸上競技場のようなコースを走ればいいのではないか。
「2日またぎで24時間放送する『24時間テレビ』は、ぶつ切りとなる企画を並べるだけでは持ちません。生放送中の縦軸となる“通し企画”が必要なんです。しかし、同じ場所をグルグル回るだけの募金リレーでは、視聴者に大変さが伝わらないし、中継映像も代わり映えがしないのです。関東近県から東京の両国国技館を目指して公道を走れば、映像のバリエーションもありますし、番組から目が離せないという効果もあるんです」
そのランナーが、なぜEXIT兼近なのだろう。
「THE突破ファイル」との関係
「EXITといえば、“お笑い第7世代”として霜降り明星やハナコなどと並ぶ人気を集めていました。が、ブームになったのはもう3年も前のこと。今や“第7世代”はオワコンのような扱いをされています。そこで吉本興業は、何か人気復活のきっかけ作りができないかと模索していました。そんなときに、所属芸人の多く出演している『THE突破ファイル』の主要スタッフが、今年の『24時間テレビ』に関わることが決まり、吉本が猛烈なアプローチしたわけです」
そういえば、兼近のランナー決定が発表されたのも「THE突破ファイル」のエンディングだった。
「番組スタッフにとっては、『突破ファイル』の視聴率も上げたいという気持ちがありますからね。兼近以外にも『突破ファイル』に出演する多くのタレントが『24時間テレビ』にも出演するようです。長時間にわたってテレビに出ることで、芸人の人気復活の足がかりになることは可能でしょう」
「突破ファイル」には、EXITはもちろん、ぺこぱ、チョコレートプラネット、宮下草薙、ハナコ、とろサーモン、サバンナ、ジャングルポケット、パンサー、もう中学生、マヂカルラブリー、おいでやすこが、3時のヒロイン、おかずクラブ……多くの芸人が出演しているが、ほとんどが吉本所属だ。
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