アナハイム市長汚職で大谷翔平の契約に暗雲 狙うは「特別扱い」か「勝利」か

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 ベーブ・ルース以来の偉業を達成した大谷翔平(28)。なにをどこまで達成するか目が離せないが、エンゼルスのお膝元アナハイム市で巨大な汚職事件が発生。大谷の今後に少なからぬ影響を与えかねないという――。

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 104年ぶりに2桁勝利および2桁本塁打を達成した大谷。今後も2年連続30号本塁打のほか、投打で規定数に到達すれば史上初となるなど、達成が楽しみな記録が目白押しだ。本人が一番獲りたいのは、年間最優秀投手に贈られるサイ・ヤング賞だという。

 いまの大谷には、ポジティブな期待しか抱く余地がないように見えるが、実は、エンゼルスが本拠を置くアナハイム市で事件が起きていた。メジャー研究家の友成那智氏が説明する。

「市が所有するエンゼルスタジアムと周囲の広大な駐車場スペースなどを、3億2500万ドル(約430億円)でエンゼルス球団に売る計画が進められ、2019年に契約が結ばれていました。エンゼルスはそこにホテルやショッピングモールなどを建設するつもりだったようです。ディズニーランドがあるアナハイムは地価が上がり続けていて、そこを再開発すれば、毎年、何十億円もの収益が見込めるはずでした」

 ところが、である。

「市民団体から“売却額が安すぎる”と追及され、市議会で問題視されて、計画は白紙撤回に。市長は5月23日に辞任し、売買についてFBIの捜査が続いています。現地の報道によると、市長は11月の市長選の選挙資金100万ドルを、エンゼルスに機密情報を提供する見返りとして受け取ろうとしていたようなのです」

大谷の契約にも影響

 この影響が大谷に及ぶのは、売買が白紙になってエンゼルスの懐が苦しくなるからだ。友成氏が続ける。

「エンゼルスはトラウト選手に12年総額4億2650万ドル、レンドン選手に7年総額2億4500万ドルという大型契約を抱え、それだけでエンゼルスが支払う全年俸の40%。大谷を加えると60%で、このままではチームが弱いのに、選手補強にお金を使えません」

 大谷を抱え続けるためには、どれだけの資金が必要なのだろうか。

「大谷の来季の年俸はおそらく3500万ドル程度。メジャーの選手には年俸調停期間があり、4~6年目に年俸がどんどん上がります。大谷は最低年俸で契約し、調停期間に入った21年に300万ドル、今年は550万ドル。今オフは調停期間最終年で、これまでの調停制度の最高金額2700万ドルを大きく超えると予想され、その3割増と見て3500万ドル。また、来シーズンが終わるとFA権を得るので、新契約として4500万ドルが6年分程度要るでしょう。大谷の引き留めには3億500万ドルほど必要なことになります」

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