「巨人」森友哉、浅村栄斗獲得で“大阪桐蔭”が一大勢力に? 今オフFA補強は「根こそぎ」
高木豊氏は「浅村、巨人!」で決まり
楽天の浅村栄斗(31)と、西武の森友哉(27)が8月16、20日に相次いでFA(フリーエージェント)の資格条件を満たした。宣言すれば、今オフのFA戦線で目玉になる大阪桐蔭高出身の2人で、かねて巨人が獲得に乗り出すのではないかと臆測を呼んでいる。昨季は“お家芸”のFA補強がなかった。今季は2年ぶりの覇権奪回が極めて厳しく、来季巻き返しのために大補強は必至。晩夏にしてストーブリーグがヒートアップすることが予感される。【津浦集/スポーツライター】
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浅村は2009年にドラフト3位で西武に入団し、13、18年に110、127打点で打点王に輝いた。楽天では20年に32本塁打でタイトルを獲得。パ・リーグを代表する強打の二塁手で、海外FA権の行使については「まだシーズン中なので今はチームが優勝することしか考えていない。シーズンが終わってからゆっくり考えたい」と隙のないコメントを残した。
西武時代の16年から昨季までの6年間に加え、今季もここまで全試合に出場。
「原監督は以前『うまい選手は要らない。強い選手が欲しい』と話していた。チームが低迷する中で、まさに原監督好みの選手」(遊軍記者)
元大洋(現DeNA)で活躍した高木豊氏は、自身のYouTubeチャンネルでFA戦線を予想した際に「浅村、巨人(で決まり)! 巨人は根こそぎだから」と断言するほどだ。
巨人の二塁手では今季、吉川尚輝が不動のレギュラーに定着した。浅村と競合するとの声もあるが、元NPB監督は「正遊撃手の坂本(勇人)の後継者問題にもめどが立つ。坂本は今季衰えが目立ち、巨人は遊撃の強化が喫緊の課題。吉川は19年の日本代表の強化試合で守ったように、遊撃も可能。坂本は一塁か三塁に回し、中田(翔)は日本ハム時代に経験が豊富な外野で使えばいい。キャンプから練習すれば、開幕までに十分、勘は戻ってくる」と来季布陣を予想しつつ、支障がないことを強調した。
森は巨人垂涎の「打てる捕手」
森は14年にドラフト1位で西武入りした。19年にはMVPと首位打者に。球界では希少な「打てる捕手」だ。今季は開幕直後にロッカールームでマスクを投げつけて右手人さし指を骨折するという失態を犯したが、復帰後はリーグトップの防御率にV字回復した投手陣を、リードでも引っ張っている。
巨人では大城卓三、小林誠司らが正捕手として決め手を欠く。阿部慎之助(現1軍作戦兼ディフェンスコーチ)以来の絶対的な正捕手は垂涎の的だ。
「森が来れば、正捕手はしばらく安泰。左打者は丸(佳浩)らだけで手薄。森で左右のバランスが整う。浅村との両取りなら守備でもセンターラインの強化につながり、攻守で強化が実現する」(前出の元NPB監督)
ただ、懸念の声もある。森、浅村の加入で、昨季途中に無償トレードで日本ハムから移籍した中田とともに大阪桐蔭勢がレギュラー3人を占め、チーム内で一大勢力となるからだ。
「中田は日本ハムで特定の後輩に親分風を吹かせていた。それがこじれて暴力問題に発展した。拾ってもらった形の巨人では今のところをおとなしくしているが、高校の後輩が複数入れば派閥をつくり、また他選手に悪影響を及ぼすのではないか」(番記者)
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