五輪招致、高橋元理事への捜査のウラで… 森元総理の「胸像」建立がスタート、背景に「森ファミリー」利権が
見事な“連係プレー”
森氏は胸像建立計画の発起人らだけではなく、ウラでは高橋氏のような人物ともスクラムを組んで自らの悲願達成を目指してきた、というわけである。
森、高橋の両氏の関係はこれにとどまらない。二人が東京五輪の招致を巡っても、ウラで見事な“連携プレー”を見せていたことはあまり知られていない。
本誌(「週刊新潮」)は森氏が代表理事を務めていた〈嘉納治五郎記念国際スポーツ研究・交流センター〉(嘉納財団)が“五輪買収”に関与した疑惑について幾度か報じてきた。菅義偉官房長官(当時)の依頼で、政界のタニマチとして知られる「セガサミーホールディングス」の里見治会長が数億円を嘉納財団に寄付。そのカネが五輪開催地を決める投票権を有するアフリカ人のIOC委員の買収に使われた可能性がある、というのがその疑惑の構図だ。菅官房長官は里見会長を説得する際、嘉納財団について、
〈この財団はブラックボックスになっているから足はつきません。国税も絶対に大丈夫です〉
と述べていた。
ちなみに本誌は、森氏が東京五輪後のレガシーまで自らの影響下に置こうと企み、「嘉納財団」を母体とする「日本スポーツレガシー・コミッション」なる財団を設立したこともお伝えした。そうした経緯をうやむやにするためか、この財団は今年4月、ひっそりと「日本スポーツ政策推進機構」に改組されている。
高橋元理事の「言い分」
一方、高橋氏に対して、東京五輪の招致委員会から約9億円ものカネが支払われていたことはすでに報じられているが、本誌は今回、招致委の口座情報の詳細を政府関係者から入手した。そうした金の流れについて報じたロイターのインタビューに対して、高橋氏はアフリカ人のIOC委員へのロビー活動をしていたことを認めている。ちなみにロイターの記事によると、招致委は嘉納財団にも約1億4500万円を支払っているという。
現在、地検特捜部に“追われる身”の高橋氏本人は、
「今ね、ご承知の通り検察の調査中で、余計なことを答えないでくれと言われているから今はちょっと言えないんですけど」
と前置きした上で、新秩父宮ラグビー場の入札に関わっている不動産会社の名前を挙げながら一方的に次のように語った。
「あそこは、神宮の森を守ってね、木を守ってねっていう町民の意見を無視してね、全部開発しようとしているんですよ。しかも高層ビルを建てようとしているんですよ」
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