五輪招致、高橋元理事への捜査のウラで… 森元総理の「胸像」建立がスタート、背景に「森ファミリー」利権が

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森氏の胸像はすでに制作中

 発起人の一人である嶋津氏に聞くと、

「仲間としてね、ラグビーを一緒にやってきた仲間としてね、そういう(森さんの功績をたたえたい)気持ちがある」

 言葉少なにそう話す。

 胸像建立事業の事務担当者は、

「今回の事業を最初に『やろう』と言い出したのはラグビーワールドカップ2019組織委員会の会長だった御手洗さんでした」

 と、説明する。

「御手洗さんと嶋津さんとのお話の中で、主に2019年ラグビーワールドカップ日本大会の成功をはじめとした功績をたたえて森先生の胸像を作ろうとなったそうです。御手洗さんなどから今回の話が出てきたのは、今年の5月上旬くらいだったと聞いています。寄付の期限は9月末になっていますが、胸像はすでに業者の方に発注を行っていて、現在作成中です」

 なんと、森氏の胸像はすでに制作が始まっている、というのである。“安倍派の今後”だけではなく、自分の胸像の完成も見届けたい。森氏はそうもくろんでいるに違いなかろう。

「負のレガシー」

 嶋津氏も、この事務担当者も、胸像を置く場所は、

「まだ決まっていない」

 と口をそろえる。しかし、

「胸像を置くのは、『新秩父宮ラグビー場』のラグビーミュージアムの中だと思いますよ。嶋津さんや河野さんは以前から言っていましたから。新秩父宮ができたらそこにミュージアムを作って、森さんの銅像だか胸像だかを建てたい、と」

 ラグビー協会の関係者はそう明かす。

「胸像の話を聞いた時、最初は何かのジョークだと思っていたのですが、どうも本気だったようですね。しかし、まだ生きている森さんの胸像を喜ぶ人が果たしているのでしょうか。通常の感覚の人は、宗教じみていて怖い、と思うはずです。ただ、その胸像を見るたびに『こうはならないようにしよう』と思える点ではレガシーといえますかね」

 まさしく「負のレガシー」としての胸像。それが置かれる可能性のある「新秩父宮ラグビー場」計画には、森氏の執着や野望が見え隠れし、氏と近い“きな臭い人物”も暗躍している。その意味では、胸像を置くにふさわしい場所といえよう。

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