サラダチキンだけじゃない!ボディビルダー「バズーカ岡田」が語る“身体づくりとコンビニ食”
ボディビル大会で近隣店舗から「おにぎり」が消える
渡辺:「サラダチキン」の登場で、コンビニの利用法は変わりましたか?
岡田:私が身体づくりに対してシリアスになったのは高校時代のことで、当時からコンビニに何かを期待することはなかったんですよ。「通学の動線にコンビニがあれば、立ち寄って飲み物を買う」という程度です。しかし「サラダチキン」の登場後は、身体づくりと合わせて意識的にコンビニを使う機会が増えました。
渡辺:「サラダチキン」以外では何を買いますか?
岡田:栄養素ごとにチョイスしています。たんぱく質カテゴリならば「サラダチキン」系で、炭水化物ならば大麦や玄米などの「おにぎり」、食物繊維カテゴリならば「サラダ」など、ビルダーにとっても選択の幅が広がっているので非常に便利だと思います。
渡辺:ビルダーもおにぎり食べるんですね。
岡田:勘違いされがちですが、炭水化物はとても大事です。むしろ、ボディビルの大会が催される会場では、近隣のコンビニの棚からおにぎりが消えるほど重要です。
渡辺:そうだったんですか!
岡田:「カーボアップ」と言って、大会当日には炭水化物を摂取して筋肉に炭水化物を充填するんですよ。
渡辺:大きなお祭りがある場合、近くのコンビニがホットスナックやドリンクを多く仕入れることはありますが、「ボディビル大会に備えておにぎりを多く仕入れる」は盲点でしたね(笑)。
岡田:ボディビルの大会は会場が限られているので、さすがに近隣の店舗は気が付いているかもしれません。なにしろ、大勢のマッチョがこぞっておにぎりを買っていくわけですから(笑)。
渡辺:それでも売り切れるほどに需要が高いんですね。とくに人気のおにぎりは?
岡田:鮭などのたんぱく質が入っているものや、近年ならば食物繊維も豊富な大麦、もち麦、玄米系のおにぎりです。ただ、コンビニは良質な商品を“改悪”しちゃうから困るんですよね。
渡辺:改悪ですか?
岡田:普通の「玄米おにぎり」でいいのに、わざわざ玄米にチーズを組み合わせるとか、するじゃないですか。私からすれば、これは大きな矛盾ですよ。鶏むねの唐揚げと同じくらい矛盾です。
渡辺:岡田先生って、鶏むねの唐揚げのこと昔から嫌ってますよね(笑)。
岡田:もちろん、唐揚げの存在自体は否定しません。でも、せっかく鶏肉という絞れる食材を使っているのに、なぜそこに油を足すんだって話ですよ。ほかにも、セブンで高タンパク・低脂質のサンドイッチが登場したときも、翌年には脂質が増えるという改悪が発生しました。「違う違う、そっちじゃないから! どこに行くんだよ!」って感じです。
渡辺:どこに行くも何も、一般的な需要を考えたらそっちが正解なんですよ。岡田先生の向かっている方向が少数派ですからね。
岡田:あと、ビルダーに重宝される商品ほど生き残れないのも残念です。「サラダチキンの丼」や「サラダチキンをブランパンで挟んだサンド」などが登場したときは、「これ考えた奴、絶対ビルダーじゃん!」と大喜びでリピートしまくったのに、すぐになくなりました。
渡辺:しかたないじゃないですか(笑)。ビルダー向けに開発してるわけじゃないんですから。ところで、ローソンの「ブランパン」の名前が出ましたが、こちらも筋肉界隈で話題になったんですか?
岡田:一時期、流行りましたよ。でも、近年は白米以外のおにぎりが充実しているので、炭水化物カテゴリではおにぎりに流れがちですね。
渡辺:実は「ブランパン」って、Pontaカードのおかげで生き残ったんですよ。
岡田:どういうことですか?
渡辺:「ブランパン」は2012年に発売されたのですが、コンビニで「低糖質を売りにしたパン」は当時としてはマニアックで全然売れませんでした。ところが、カードデータを分析したところリピート率が非常に高かった。そこで販売終了せずに残した結果、ヒット商品になったんです。
岡田:コアなファンが一定数いれば、生き残る商品もあるわけですね。つまり、完全にビルダー向けと思われる商品が販売終了になるのは、その一定数に満たないと……。
渡辺:そうなってしまいますね。
岡田:ボディビルは競技人口が少ないですからね。とは言え、筋トレの裾野は広がっているので、何とか期待したいところです。
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