「尖閣諸島に武装漁民上陸!」シミュレーション実施 その時、総理はどう動くか

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中国が核兵器の使用を仄めかして日本と台湾を恫喝

 2日目には、「中国が核兵器の使用を仄めかして日本と台湾を恫喝する」というシナリオが登場。

 こうしたシナリオを想定し、小野寺元防衛相や木原代議士の他、合わせて10名もの現職国会議員が参加し、それぞれ防衛大臣や財務大臣といった“役”に扮して有事の対応に備える模擬訓練を実施したのだ。

 尖閣諸島への武装漁民の上陸、そして中国の核を用いた恫喝。

 まさに恐怖のシナリオだが、冒頭のように“小野寺総理”は防衛出動を決断、米国による核の持ち込みも議論された。

「課題は山積」と語る岩田清文元陸上幕僚長

 シミュレーションの企画と進行を担った岩田清文元陸上幕僚長(65)は、その成果をこう総括する。

「有事の際に、先島諸島の国民や在台邦人を避難させる輸送力の不足及び法的整理など、課題は山積している。ただ、そうした問題点を抽出することこそが今回の目的なので、その意味では一歩前進したと思います」

 有事のリーダーには“聞く力”のみならず決断力も求められる。本物の総理よりも“小野寺総理”の方が頼りがいがあるのでは、なんて声も聞こえてこなくもないが、次回はぜひ、岸田総理にも参加していただきたいところである。

撮影・本田武士/JMPA

週刊新潮 2022年8月25日号掲載

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