大本命・大阪桐蔭を倒す“番狂わせ”…下関国際が勝利した「決定的理由」

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「大阪桐蔭に勝つ」と言い続けた

 無難にいくのであれば、まず、ファーストでワンアウトをとるという選択になるはずだが、ここでもサードでアウトにするという“攻めの姿勢”を見せていたのだ。大阪桐蔭側もそれを感じており、送りバントだけでなく、ランナーもスタートを切っている。結果的に、それでランナーの帰塁が遅れ、トリプルプレーに繋がった。こちらも、下関国際の“攻める守備”の成果と言えるだろう。

 坂原監督は、インタビューの最後をこう締めくくっている。

「甲子園で準々決勝を超えること、頂点である大阪桐蔭さんに勝つということを常に言い続けて2年4カ月やってきました。ワクワクする気持ちで臨めた結果だと思います」

 今大会で“打倒大阪桐蔭”を掲げるチームは多かったが、ここまで長いスパンで、「大阪桐蔭に勝つ」と言い続けて臨んできたチームはなかなかいないだろう。甲子園初制覇へ大きな山を越えた下関国際。準決勝は、プロ注目の右腕、山田陽翔を擁する近江と対決する。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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