にしおかすみこが明かす認知症母、ダウン症姉、酔っ払い父との生活

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初日でバレた

「要介護支援の認定もとろうとしたのですが、母の状態は『要支援』か『要介護1』、つまり一部手助けが必要といった程度らしいのです。手続きのために母をこれ以上動かすのもしんどくて、話はそこまで。以後は、母の糖尿病のかかりつけのお医者さんに相談しながらやっている感じです」

 最近は芸能の仕事も徐々に入るようになった。家では家族全員の食事の用意と洗濯、掃除をこなす。姉のことは母親が「自分の責任で」見守っているという。エッセイは、女三人のやりとりを中心に“ポンコツの父親”を加えた一家の光景がコミカルに、ときに哀感をたたえながら展開される。

「最初は、暇でお金もないので何かしなきゃいけないなと書き始めた感じです。マネージャーさんの協力で連載の件は決まりました。私が身内の話を書いていることは、家族にできれば一生バレないにこしたことはないと思ってたんです。でも、連載開始初日に父がネットで見つけてしまって。母は“全国民がうちの悪口を言ってるって本当か”と私に怒ってくるんです。“そんなことないよ。コメント欄を見ると、みんな優しいよ”って返しました」

自分で選択した家族との大切な時間

 主題となった「介護」についてはどう考えるか。

「うちは今のところ排泄や徘徊の問題はないので、介護といっても大変なことをしているわけではありません。私が思っているのは、とにかく自分が元気でいるのが大事だなということ。そうでないと家族も負担を感じるし、誰も幸せになりません。もし認知症が進行していったら、また違う考えになるのかもしれませんけれど。母に対して“もうイヤだ”と思ったりする関係性も含めて、今は自分が自分で選択した、家族との大切な時間だと思っています」

週刊新潮 2022年8月11・18日号掲載

ワイド特集「夏の思い出」より

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