市場を赤く染める「中国系仕手集団」の“ウルフパック戦術” 電線メーカー「三ッ星」が白旗寸前
共同歩調
最初に、中国系仕手集団によるウルフパック戦術が注目されたのは、「北日本紡績」の株買い占めだった。
「突然、11.7%の株式を取得し、筆頭株主に躍り出たのは、“サクセス・インベストメント”という和円商事の監査役が代表を務める会社でした。さらに、和円商事と繋がりのある個人株主3人が、経営陣の刷新を図ろうと臨時株主総会の招集を要求したのです」
その結果、2020年5月に開催された臨時株主総会では、社長をはじめとする経営陣が一掃され、和円商事の副社長が北日本紡績の社長として送り込まれた。
次に狙われたのが、プラスティック加工機メーカーの「プラコー」。和円商事や本多氏個人が株主として名を連ねたうえで、共同歩調を取る「フクジュコーポレーション」なる投資会社が11.11%の株式を取得。結局、20年11月の臨時株主総会の開催前に、プラコーの社長らは辞任した。
そしていま、三ッ星も飲み込まれようとしている。法的にグレーなウルフパック戦術を用いて、企業買収を手掛ける中国系仕手集団。次々と、株式市場は赤く染められてしまうのか。
「週刊新潮」2022年8月11・18日号「MONEY」欄の有料版では、中国系仕手集団の手口と三ッ星が攻め込まれた経緯、本多氏の主張を詳報する。
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