ドラえもんのひみつ道具がメタバース世界のヒント? 不足しているのは技術でなく発想(古市憲寿)

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 少し前まで「ドラえもん」を、工業化社会という20世紀の夢を追求した作品だと思っていた。

「ドラえもん」の連載が始まったのは1970年1月号の小学館学年誌。藤子・F・不二雄がこの世界を去る1996年秋まで作品を発表し続けた。その26年間というのは、製造業や建設業が好調な時代だった。「ドラえもん」に登場するひみつ道具の「タケコプター」や「どこでもドア」は、物理的な移動を助けてくれるものだし、「クリーナーロケット」など家電の延長のような道具も少なくない。...

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