大谷翔平は「WBC出場」濃厚か 起用は初戦から? 専門家の見解は

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「球団が認めない」はウソ?

 大谷本人がWBCに出たいと強く願っているとして、次に障壁となるのは、周囲がそれを許すのか、だ。

「よく“球団が認めない”なんて言いますが、実際はそんなことはなく、本人が出たければ認めますよ」

 と言う津浦氏によると、

「調整の難しさだけでなく、人間関係など、代表チームに本人が入りたがらない理由は多々あります。でも、本人が断ると“愛国心がない”と批判される。そこで、本人に代わって球団に断ってもらうのです。また、仮に選手がそこで故障してしまっても、球団は多額の保険に入っていますから損害は最小限に抑えられます」

 また、大谷の大型契約が近いことは、むしろ出場への追い風になる。

「WBC前に契約するなら、その際に“WBC出場容認”の確約をとるだろうし、契約が済んでいなければ、それこそ契約を得んがために球団は大谷の意思を尊重せざるをえない」(同)

 WBCのリスクのせいで契約金が減額されるかもしれない。だがそもそも大谷翔平は、カネで動く男ではない。それは、メジャーの労使協定の兼ね合いで、渡米を1年遅らせれば200億円超の契約を交わせたはずなのに、そうしなかったことからも明らかだ。

 常識を打ち破り続けている男である。“WBC出場のリスク”など承知の上で、悠然と出場を果たすだろう。

初戦か最終戦か

 では、その起用法はどうなるのか。

 先のメジャー評論家は、

「リスクの低い“打者のみ”、それも準決勝以降の“アメリカラウンドのみ”にとどまるのでは?」

 と言うが、投球が100球を超えても続投を志願するあの大谷が“投げなくてもいい”と言われて諾とするとは思えない。また、

「中南米の国は、予選ラウンドを“2軍”が戦い、アメリカラウンドから大物が出るのも珍しくない」(同)

 とのことだが、大谷がそれをやると、あおりを受けてアメリカに行けない“侍”が出てくる。それは、和を重んじるチームやファンの不興を買うし、なによりも大谷自身がそのような特別待遇を望まないだろう。

 つまり、大谷は東京で行われる初戦から出場し、かつマウンドに上がる可能性も高いということになる。

 津浦氏の見立てでは、

「開幕戦は対中国。大谷ならブルペン感覚でも楽勝でしょうから、負担は少ない。日本のファンもスポンサーも喜びます。ただ、そんな客寄せパンダ的な使い方に大谷が納得するかというと話は別。逆に東京ラウンドでの登板は避け、天王山の準決勝か決勝の1試合のみ先発するかもしれません」

 リリーフはどうか。

「大谷は未経験ですが、09年大会のダルビッシュは急造の抑え役で好投した。ただ、大谷の場合、打者で出ていたらブルペンで肩を作れないので難しそう」(同)

 打順は、エンゼルスでおなじみの2番か。

「セ・リーグ本塁打ランキング独走中のヤクルト・村上宗隆(22)が4番に座り、巨人・岡本和真(26)や阪神・大山悠輔(27)が3、5番で脇を固めれば、大谷から左右左右のジグザグ打線が出来上がりますね」(同)

週刊新潮 2022年8月11・18日号掲載

特集「『栗山監督は理解者』 ベーブ・ルース超え『大谷翔平』WBC出場可能性と起用法」より

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