安倍元首相に最も食い込んだNHK・岩田明子記者の退職 今後の身の振り方とは? 銃撃の余波という声も

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ゴッドマザーからも全幅の信頼

 NHKの政治部で記者として活躍し、数々のスクープをものにしてきた岩田明子解説委員が7月31日付でNHKを退職していたことがわかった。7月に凶弾にたおれた安倍晋三元首相に「最も食い込んだ記者」として知られてきた岩田氏。今後の身の振り方はどういったものになるのだろうか?

 まず、岩田氏のこれまでを駆け足で振り返っておこう。

 岩田氏は東大法学部卒業後、1996年にNHKに入局。岡山放送局を経て2000年から政治部に異動し、それから2021年まで一度も東京どころか政治部を離れることなく権力者の一挙手一投足をすぐそばで取材してきた。

 とりわけ安倍元首相には官房副長官時代から番記者として食い込み、自宅にも上がることを許され、安倍氏の母でゴッドマザーと呼ばれる安倍洋子氏からも全幅の信頼を得てきたという。

 岩田氏と言えばスクープである。ある社の政治部記者は、こう振り返る。

「ニュース7やニュースウオッチ9等々で、前の番組が終わろうとするあたりで速報のテロップが出て、実際に番組が始まると岩田さんが座っていてアナウンサーから話を振られて立て板に水のように解説する……というシーンが幾度となく繰り返されましたね。最初の頃は悔しい気持ちがありましたが、最後の方はもう諦めていました(笑)」

政治部から外れる人事

 安倍氏は2006年9月に新政権を発足させたが、わずか1年で辞任となり、その後12年12月に再び首相に返り咲き、20年9月までその座に留まった。1度目の辞職もさることながら2度目も世間を大いに驚かせたが、その際にも岩田氏がスクープしていた。

 その後、自民党総裁選を菅義偉氏が勝ち抜き、新首相に指名されたわけだが、岩田氏は菅氏に食い込むことは全くできなかったという。

「岩田さんの場合は、長い間、“首相(=安倍氏)から直接話を聞くことができるならそれが一番でしょ、私はそれができるのだから、女房役の官房長官(=菅氏)に聞いたって意味ないでしょ”というようなスタンスだったようです。ま、その通りなんですが(笑)、それが露骨に現れていたりすると、菅さんじゃなくても誰だって面白くはないですよね」(同)

 安倍氏の退陣を受けてNHKは、菅氏に近いと目される記者を政治部長に配置する「菅シフト」を敷く一方、2021年6月、岩田氏が政治部から外れる人事が敢行された。

「岡山放送局から異動してきた後は、一度も離れたことのない部署だけにショックだったようです。解説委員とネットワーク報道部の記者主幹を兼ねるポジションとなりました」

 と、NHKの局員。

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