「最大40兆円リスク」も! 中国・習近平が直面する重大試練「住宅ローン返済拒否」騒動の衝撃
住宅問題は「近代中国の土台」
「中国ではスマートフォンを通じて個人の“信用”が数値化されるので、ローン返済を拒否するのは非常にリスクのある行動です。それでも捨て身の行動に打って出たのは、それだけ横行しているマンション開発業者の杜撰で無責任な経営を世に訴えたかったから。リスクを負ってでも公表することで、政治的なアクションが起こるのを期待したのです」(田代氏)
事実、政治が動くこととなり、中国政府は7月28日の中央政治局会議で「住宅の引き渡しを保障し、人民の生活を安定させなければならない」と指示し、問題解決に乗り出す姿勢を見せた。
「中国の庶民にとって、住宅とは住むところであると同時に、資産形成のための“財産”でもあります。だからこそ住宅を手に入れるため、人々は一生懸命働くのです。中国経済を支えているのはこの価値観であり、住宅の建設推進は“現代中国の土台”ともいえる。それゆえ、今秋に総書記として3期目を目指す共産党大会を控えたいま、習近平氏にとって返済拒否問題は必ず解決の道筋を付けなければならない“最大懸案”に浮上しています」(田代氏)
誰もがハッピーになる解決策はないと見られているが、難局をどう乗り切るか。習近平にも“試練”が訪れている。