プロペラの位置が逆? 太平洋戦争末期、B-29撃墜のため開発が進められた“異形の戦闘機”

国内 社会

  • ブックマーク

輸送と設置でトータル2200万円かかった!

 当時、海軍から開発を任されたのは、陸軍機の修理や部品製作に携わっていた太刀洗航空機製作所の兄弟会社、「九州飛行機」だった。

 そのつながりから大刀洗平和記念館は本機の展示を模索。

 当初はこの飛行機を分解して保管している米スミソニアン航空宇宙博物館に打診したが実現せず、代わりに東京の映像制作会社が作った実物大模型を手に入れたという。

 値段は輸送・設置費を含め約2200万円。

 同記念館では、目標額1千万円のクラウドファンディング(~8/26)を募り、すでに841万円が集まったのだそうだ。

フィクションの世界で「幻の戦闘機」として知られる「震電」

「震電」は終戦間際の昭和20年8月頭に試験飛行が行われたが、結局、実戦で使われることはなかった。

 最高時速750キロを目標としていたが、開発を続けたとて、果たしてそれが実現したかはわからない。

 だが、いわゆる「架空戦記モノ」などフィクションの世界では、「震電」はB-29を次々と撃墜する「幻の戦闘機」として活躍することも少なくない。

 その姿を間近に見ると、現実とロマンがシンクロして不思議な気分になることだろう。同展示をきっかけに、「日本が経験した戦争」について思いをはせてみるのはいかがだろうか。

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。