病院、モデルガンショップ…全国に散らばる「統一教会関連施設」 近隣住民は「得体が知れず、怖かった」
「数年前に出て行ってくれてホッと」
最後に、信者たちの集団居住地も訪ねてみた。山手線の内側、以前は大勢の信者が共に暮らしていたとされる場所は現在、駐車場になっていた。
隣地に住む人は言う。
「やっと数年前に出て行ってくれて、ホッとしています。30年以上も前から、そう広くない2階建ての家に、20~30人が暮らしていたんです。お祈りが盛り上がると時おり、みんなで掛け合いのように叫び出してね。ドンと跳びはねるような音も聞こえてきました。近所のうわさで統一教会だと知ってはいましたが、表札は掲げられていないしあいさつもないしで得体が知れず、怖かったですね」
近所の飲食店店主いわく、
「昔の話ですが、あそこで暮らす若い人がいきなりお店に入ってきて、酒も頼まずうちの客に果物や野菜、額縁に入った記念コインなどを売りつけるといったことが何度かありましたよ」
再び山口弁護士の解説。
「統一教会は集団生活を行う場を“ホーム”、そこに住む信者を“献身者”と呼んでいます。内部では原始共産制のような暮らしが営まれ、文鮮明・韓鶴子教祖の指示に従って戦う姿勢が求められます。献身者は給料や親からの仕送りをホーム長に納め、その中から1万~2万円のわずかなお小遣いを受け取り、伝道活動に精を出す。信者の高齢化にともない数は減りましたが、いまでもなくなってはいません」
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