岸信介と統一教会を仲介したのは謎の「踊る女性教祖」? 警視庁公安部が捜査していた政治家の実名も

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捜査資料に登場する政治家の名前は

 その理由については、

「公安がマークしているのは、法治国家にとって危険な存在だとみなしているからです。カルト宗教は我々が守るべき法律よりも宗教団体内の“法”、つまり教義を優先してしまいます。教祖が絶対だからこそ、オウム真理教のような事件が起きてしまうわけですが、統一教会も同様の事件を防ぐために、組織の実態について全容解明をすべく、監視しています。総務課のカルト担当は『情報係』『視察係』『事件係』の三つに分かれています。情報係が情報を取り、視察係が教団関連の会合などの参加者をウオッチして面割りし、どのような人物が出入りしているのか、情報を蓄積していくのです」(同)

 実はこの捜査資料には、複数の政治家の名前が記載されている。

 95年に都内のホテルで行われた「朴普煕(パクポヒ)博士『希望の日』晩餐会」。そこに招待された政治家の面々の名だ。朴普煕は19年に亡くなっているが、統一教会幹部として知られた人物だった。

統一教会宣教師のイベント

「もともとKCIA(韓国中央情報部)の出身で、過去には文鮮明の息子に自身の娘を嫁がせています」

 と、全国霊感商法対策弁護士連絡会の渡辺博弁護士が朴について解説する。

「一時は文鮮明の右腕として甘い汁を吸うも、別の古参幹部に追いやられ失脚。00年代に統一教会の土地を巡る詐欺事件を起こし、有罪判決を受け、表舞台から姿を消しました」

 朴は日本における信仰をさらに広めるため、「世界宣教師」として95年に来日し、「希望の日講演会」なる集いを全国各地で催した。

 統一教会の文献によれば、95年度だけで全国73カ所、参加者は10万人を超えたという。そのような時期に政治家を招待する「意味」は自ずと浮かび上がる。

 安倍派の現職議員でその晩餐会に招待されたのは、大臣経験もある衛藤晟一参院議員。衛藤事務所は、

「全く記憶にありません」

 と答えるのみ。ファイルには、同じ安倍派、越智隆雄衆院議員の父である故・越智通雄元経済企画庁長官、中川秀直元官房長官も招待されたとある。

「福田赳夫さんの長女を妻に持つ通雄さんは、統一教会と関係が深いことで知られていました。一時期、地元事務所には統一教会から派遣された秘書が3人働いていたといわれます」(永田町関係者)

 その秘書の一人は、

「統一教会に派遣されたなどという事実はありません」

 と言うものの、安倍派と統一教会との関係の深さは疑いない。そして、実は統一教会による「政界汚染」は安倍派に限らず。この資料には総裁派閥である岸田派議員の名前も載っているのである。

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