岸信介と統一教会を仲介したのは謎の「踊る女性教祖」? 警視庁公安部が捜査していた政治家の実名も

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統一教会の日本初代会長の著書にも…

 統一教会の日本の初代会長・久保木修己氏の著書『愛天 愛国 愛人』(世界日報社)にはこんな記述がある。

〈六〇年代の中ごろ、Aさん(注・本書では実名)が山口県に開拓伝道に行った時、「踊る宗教」の教祖に会ったのです。(中略)そのころ、統一教会の本部は渋谷区南平台にあって、実は岸先生のお宅の隣でした。それでAさんがその教祖の紹介もあって、岸先生宅に通うようになりました〉

 さらに、すでに統一教会の運動に共鳴していた戦後政界のフィクサー・笹川良一氏の勧めもあり、岸は教団との関係を紡ぎ、68年の国際勝共連合発足の際の発起人に名を連ねることになる。

 統一教会の広報部は、教団と北村サヨとの関連を、

「ご指摘の点は事実ではありません」

 と答える。だが、岸防衛相が先のような会見の受け答えに終始し、教団との「関係を断ち切る」と明言しないのは祖父のこうした逸話を踏まえれば、さもありなんなのだ。

 さらに、同じ安倍派の所属で、特に統一教会との関係が深いとされるのが、下村博文元文科相(68)だ。

オウム真理教が契機に

 下村氏が文科相在任中だった2015年8月、文科省は20年弱にわたり受理しなかった統一教会の名称変更の申請を突如、認可した。

「文化庁宗務課の担当者は、統一教会サイドからかなり強硬に迫られていたようでした。実は、宗教を扱う宗務課は、宗教団体と関連する議員ともやりとりがあり、どういう決定をしているかが不透明な“ブラックボックス”といわれます」(文科省関係者)

 この決定に下村元文科相の関与が疑われている。

「下村さんは、統一教会サイドが何年もかけて籠絡した“政界の窓口”の一人とされてきました。永田町でも下村さんと教団の関係は有名で、世界日報社からの献金も過去に受けている。この決裁を下村さんが知らないはずはありません」(同)

 当の下村事務所は、

「特に私から指示することはありませんでした。事務方において法令等に従い適正に処理をされたのだと思います」

 だが、統一教会が普通の宗教団体でないことは、火を見るより明らかだ。

 冒頭に紹介した資料には膨大な信者の情報が含まれている。そこに記されているのは、例えば、合同結婚式の参加者、教団内や国際勝共連合の役職者、教団関連企業に勤めていた者、などである。そもそも統一教会とは、当局によって日常的に監視され、情報を収集されている宗教団体なのである。その経緯について、前出の警察庁関係者が続ける。

「もともと統一教会は、勝共連合との関係から警視庁公安部の中でも右翼担当の公安第3課の管轄でした。ところが、95年、オウム真理教による地下鉄サリン事件が起き、世間的にもカルト宗教が注目された。それと前後して統一教会は公安総務課のカルト担当が監視することになりました」

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