岸信介と統一教会を仲介したのは謎の「踊る女性教祖」? 警視庁公安部が捜査していた政治家の実名も

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関係の原点が「南平台」

 7月29日、防衛省で行われた岸信夫防衛相の会見。記者から南平台の岸信介邸の隣に統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の関連施設があったことを問われ、安倍晋三元総理(享年67)の実弟でもある岸氏はこう答えた。同じく26日の会見でも、

「統一教会の皆さんは何人かは存じ上げています。お付き合いもありますし、選挙の際にもお手伝いをいただいています」

 と、率直に教団との関係を認めたのだった。

 安倍元総理が山上徹也容疑者に射殺された後、安倍家、そして祖父である岸信介元総理と統一教会との関係が取り沙汰されてきた。特に、岸の私邸の隣に教団施設があったことが“蜜月”の始まりといわれている。すなわち、両者の関係の原点が「南平台」というわけだ。

「踊る宗教」の教祖

 岸が南平台の土地を買い求めるのは1950年のことである。同じころ、「歌う映画スター」と呼ばれた女優の高峰三枝子が岸の隣の土地を購入。56年、岸は手狭だった自宅に加え、空いていた高峰邸を借り、ひと続きの「私邸」として使用する。60年に総理の職を辞すと、岸は高峰邸を返却し、その後、64年11月から65年8月まで、なぜか統一教会本部がその邸宅を借り、岸の「お隣さん」となった。

 事情を知る山口県政関係者は、

「実は岸家と統一教会が親しくなったきっかけは、それだけではないんです」

 とこうささやく。

「岸信介さんと統一教会の出会いは1960年代の半ばのことといわれています。当時、それを“仲介”する人物がいました。それが安倍派の北村経夫参院議員の祖母、天照皇大神宮教の教祖で67年に亡くなった北村サヨさんだったんです」

 天照皇大神宮教は、東京・数寄屋橋でサヨらが一心不乱に「無我の舞」を踊ったことから「踊る宗教」とも呼ばれる。そのサヨは岸の故郷である山口県田布施町で本部を立ち上げ、親交があった。岸が巣鴨プリズンに収監される際に、「3年ほど行ってこい。来年できる神の世の総理大臣に生かして使ってやる」と、声をかけ、予言を的中させたとされる。

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